第8話
[3/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
うさ。俺は金が欲しくて、アソコに入った。 俺はただ、ユナが目を覚ましてくれればそれで良かった。 ナオヤの助けにもなれればって。その為だったら命だってかけられた! ・・・・・なのに、なんで」
ヤツ、とは誰かは分からないがアナザーライダーの事だろうか。
両手を頭を抱え、堪えていた涙を零し、啜り泣くヒロキ。それを横目に、俺はアナザーエグゼイド・・・・・いや、ナオヤという男がアナザーライダーになった動機をある程度察する。
アナザーライダーの内の誰かが、ユナを襲い、その子は命の危機に瀕してしまった。それを助ける為に2人は行動を起こしたんだ。
ヒロキは憎しみと怒りを胸に秘めてレジスタンスに入り、目を覚ますまでの治療費を稼ぐ為に。
ナオヤはアナザーライダーとなり、命をかき集め。そしてそれを、ユナへと捧げる為に。
ナオヤという男は、余程追い詰められていたんだろう。 だから、オーラのあの魅惑の誘いを受けて、そしてアナザーライダーとなってしまった。
妹を救いたい。そう純粋に願った彼の思いだけは、間違ってはない。
ただ、選択を間違えてしまっただけだ。
「・・・・・根掘り葉掘り聞いてゴメン」
俺はそう言って、彼に背を向ける。
「・・・・・でも、アイツを見過ごすことは出来ない。次現れたら・・・・・今度こそ、倒すしかない」
「・・・・・だけど他に!!」
「そして躊躇ってる間に!! ・・・・・また、誰かの命が奪われる」
アンタの親友は、ホントにそれを心から望んでいるのか!!
そうぶち撒きたかった。だけど、俺は彼等については何も知らない。ヒロキとナオヤがどれほどまで仲良く、ユナという少女がどれだけ大切なものなのかを。
だから、俺にはそう断言出来る資格はない。
俺は震える声で、自身の左耳に先程渡され装着したヘッドホンを指さす。
「・・・・・アンタも持ってるだろコレ」
ジュンイチロウは、まだヒロキの処遇についてはその場で申し渡していない。 ならば、彼はまだレジスタンスの人間である。
ならば、その1人であるヒロキが持っていて当然の事だ。
「・・・・・それがどうした」
「次の任務、アンタも来るんだ。 そして自分の目で確かめるんだ。」
俺は彼等の事は何も分からない。だけど、誰かを想おうとするその気持ちだけはよく伝わるから。
・・・・・選択を決めるべきのは俺じゃない。
彼には辛い事を押し付けてるかもしれない。だけど、後腐れなく彼等の 今を前に進むには、他ならぬ当事者が決めるべきだ。
「今の彼の姿を見て、その上で出した結論を・・・・・俺は尊重するよ。 誰になんと言われても」
アラタはそう言い残し、帰りを待つ家へ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ