第8話
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用してください。 ホントは、先程にも直ぐに渡すべきだったんですけど・・・・・」
「イヤ、ありがとう。 助かるよ」
申し訳なさそうにするサキに礼を言いながら、アラタは差し出された通信機器を手に取り、左耳に付けてた後に、力強く言う。
「それじゃあ行ってくる」
アラタがアジトを抜けた後に、ゲンが片眉を上げながら意外だという口ぶりでスズナに呟く。
「いなくなった奴の背中は追うな、なんて言うと思っていたが」
「不要の仕事は追加料金」
ーーー
「ハッ・・・・・ハッ・・・・・!!」
まだ、遠くには行ってないはずだ。
そう信じて、俺はひたすらこの身を走らせる。 すれ違う人の視線にもひたすら目もくれずに。
・・・・・居た。 大柄の男に、レジスタンス特有の制服。 荷物を抱えて、ゆったりと歩いている。
彼の背中を追いかけようとして、限界が来る来る。酸素が欲しくなり、立ち止まって膝をつき、深呼吸を行う。 再び空いてしまった距離を縮めようと顔を上げた所で、相手も足音で流石に気づいたのか、こちらに顔を向けている。
「・・・・・笑いにでも来たのか」
「まさか。話に来たんだ」
自嘲気味に笑うヒロキ。アラタはそれを頭を振って否定する。 そうか、とだけ呟きまた沈黙する。そう言えば、この男に俺はにされそうになったんだったけか。 そんな出来事を思い出しながら、俺は聞きたかった事をヒロキへとぶつける。
「アンタ、なんでレジスタンスに入ってまで戦っていたんだ?」
レジスタンスは、組織の名目上は 異形達達に支配されつつあるこの世界を奪還する事を目的としている。 だが、組織に入るからにはそれなりに強い動機がある。 金の為。生活のため。 あるいは・・・・・
「・・・・・俺とアイツ。いや、ナオヤには妹が居てな。」
拒否をされればそれまでと半ば諦めかけた問いだったが、彼はそれを拒絶することはせず、近くに置かれていたベンチに腰掛けて語り始める。
「優奈、ていう名前でさ。 料理も美味くて、家事も出来て、面倒見も良くて・・・・・」
「好きだったのか?」
「・・・・・あぁ。 少し怖いところあるけど・・・・・うん。好きだった。 それで、付き合う事になった。」
勿論、そりゃナオヤも義弟になるのかよって苦笑してたけど、応援してくれた。
そう語ってるヒロキの顔は、非常に穏やかな表情であった。
「・・・・・でも。 ユナは、ある日、ヤツに似た化け物に襲われた。命だけは助かったけど・・・・・今も、ユナは意識を取り戻さない。勿論入院し続けるのだって金はいる」
「・・・・・だからレジスタンスに入ったのか」
「・・・・・そ
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