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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百五十三話 気晴らし
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をする。後は強火で煮立てるだけだ。
五分ほど経ったら蓋を開け様子を見る。中が煮立って野菜が煮えているのを確認したら卵を二つ落とす。卵に塩コショウを振ってもう一度蓋をする。火は中火だ。一、二分ほどで出来上がりだからこの間にレトルトのチキンドリアを温める。キスリングが来たのは全てが出来上がり、応接室に料理を運んだ直後だった。
「ほう、ホイル焼きか、卿が作ったのか、久しぶりだな」
フライパンを見て直ぐに分かったらしい、嬉しそうな声を上げた。こいつとミュラーとフェルナーには良く作ってやったな。レシピを渡してやったが果たして自分で作る事が有ったのかどうか……。
「話は後だ、まずは食べてくれ。冷めると不味いからな」
ホイル焼きをフライパンのまま持ってきたのもそれが理由だ。冷めると不味い。
「分かった」
そう言うとキスリングは早速フライパンの蓋とアルミホイルを取った。良い匂いが応接室に漂う、野菜とキノコの匂いだ。早速キスリングが食べ始めた。
「美味いな、このスープ。キノコの出汁が何とも言えない。それにソーセージの肉汁が堪らん。……畜生! このもやし、味が染み込んでる! ……でもなんでユリ根が無いんだ。……俺はあれが好きなんだが」
料理評論家、ギュンター・キスリングの誕生だな。
「私も好きだけどね。うちの冷蔵庫にはユリ根が入ってなかったんだ」
「いかんな、それは。……卿らしくない失態だぞ、……あれは健康にも良いんだろう?」
上目づかいで俺を見るな。うちの冷蔵庫は俺の冷蔵庫じゃないんだ。仕方ないだろう。
「それよりドリアも食べろよ」
「ドリアなんか何時でも食える。でもこれは此処じゃないと食べられないからな、……畜生、このジャガイモがユリ根だったら完璧なのに!」
ジャガイモとユリ根を比較する奴が有るか、このタコ助!
「ジャガイモは必須だ! 玉ねぎがユリ根なら完璧だよ」
「……とにかくユリ根が無いのは許しがたい失態だ」
「分かった、分かった。これ以後はユリ根を冷蔵庫に入れておくよ」
ようやく納得したのか、キスリングはドリアを食べ始めた。話をするのはドリアを食べて一息入れてからだから大体二十分後か。後でシュテファン夫人にユリ根を常備しておくように言わないといけないな……。
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