後編 REVENGE OF SURVIVORS
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に相応しいヒーローに。
今は亡き師と友と、交わした約束を胸に。彼の手に握られたM92Fが、絶え間なく火を放つ。
共に死線を掻い潜ってきた仲間達も、その後に続き己の得物を巨漢に向ける。
そして――カイル達全員の弾丸が尽き。全力の一斉射撃が、ついに終わる頃。
「……!」
硝煙に巻かれるように。トレンチコートの巨漢は、その姿を完全に消してしまうのだった。
跡形もなく砕け散ったのか。勝ち目がないと逃げ出したのか。――あるいは、見逃して貰ったのか。
「……カイル」
「あぁ。……終わったな、ノエル」
物言わぬ怪物が相手である以上、それは分からない。だが、生還という名の勝利を手にした事実だけは、揺るぎないものであった。
「……フォレスト。エドガー。……俺はまだ、生きるよ」
生存者達全員の頭上を飛ぶ救助ヘリのローター音が、それを確信させている。眩い夜明けと共に戦いの終幕を悟った彼らが、朝陽に照らされる各々の得物を降ろしたのは、その直後のことであった。
――そして、1998年10月1日。
彼らを乗せた救助ヘリが、街を離脱してから数日も経たないうちに。
ジル・バレンタインの脱出と時を同じくして、大統領の命による滅菌作戦「コードXX」が決行され――ラクーンシティは核の炎により、跡形もなく消え去った。
だが。それは、新たなる生物兵器との戦いの幕開けに過ぎなかったのである。
人類を苛む惨劇はまだ、終わりではない。
◇
それでも、「彼ら」は戦い続けているのだ。
どんな恐怖も、悪夢で終わらせない。そのために現在も、銃を取り抗い続けている。
「カイル、準備はいいか」
「あぁ。……行こう、クリス」
バイオテロ対策部隊として創設された、Bioterrorism-Security-Assessment-Alliance――通称、「BSAA」。
元S.T.A.R.S.であるクリス・レッドフィールドの誘いを受け、そのメンバーに加わったカイル・グリーンホークは。あの日からの「約束」を、頑なに守り続けている。
かつて肩を並べ、あの地獄を乗り越えたエドウィン・サンチェス。
ライアン・ハワード。
シルファ・カーレイン。
ジョン・エリオット。
ルーク・ステルベン。
ユウスケ・ユキハラ。
サラ・ダンテス。
メイソン・アークライト。
アリシア・セレスティアル。
ジン・シラハマ。
そして、ノエル・スプレイグ。
彼らに恥じぬ、「ヒーロー」で在るために。長年の付き合いになる、
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