後編 REVENGE OF SURVIVORS
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。……頭上を取るのは戦いの鉄則。篤と思い知れ、図体だけのデカブツが!」
2人の兵士が、同時に発砲したのはその直後だった。弾切れになったMP5を投げ捨てグロック17に切り替えたサラは、同じくSIGを構えているユウスケと共に、タイラントの頭部に火力を集中させていく。
「ようカイル、まだ生きてたとは驚きだぜ。ノエルだけ掻っ攫っちまおうって思ってたんだが……思わぬオマケが残ってたもんだ」
「……その減らず口、やはりメイソンか。無事だったのは良いが、何しに来た」
「何しに来たとはご挨拶だな。これでも俺の任務は、お前らの救助なんだぜ? ……隊がどうなろうが、俺は俺の仕事をするだけさ」
そんな中。最初に参戦したエドウィンに続くように、コンクリート壁の大穴からは、もう1人の「軍人」が現れていた。艶やかな黒髪を靡かせる切れ目の青年は、ノエルの美貌を一瞥した後、やや疎ましげにカイルの方へと視線を移す。
皮肉混じりな軽口を叩きながら、M4カービンを手に飛び出して来た、その男は――アンブレラ社が擁するバイオハザード対策部隊「U.B.C.S.」の隊員、メイソン・アークライトだった。
ラクーンシティに取り残された市民の救助という任務を帯びていた彼は、所属していた隊が全滅した今もなお、愚直に軍務を全うしようとしているのだ。その誠実さに対しては、今ひとつ反りが合わないカイルも認めている。
「腕前に反したその無駄口の多さ、相変わらずのようだな」
「へっ、あんたの堅物っぷりもな。……ここに救助ヘリを寄越すよう連絡はしてある。尤も、先にあのデカブツを追っ払わなきゃあ、呑気に乗り込む暇もねぇだろう」
「ならば我々の作戦目的は一つだ。あのデカい的に、ありったけの弾丸を叩き込む」
「……やれやれ、あんたの指示はいつも大味過ぎんだよ」
かつての上官であるエドウィンの横に並び、共にタイラントを撃つメイソンは、憎まれ口を叩きながらも微かに笑みを零していた。どこか、過去を懐かしむかのように。
――彼らは皆、かつてカイル達と共に死線を潜り抜けてきた、ラクーンシティの生存者達であり。脱出を目指し街を駆け巡る中、タイラントという怪物を目の当たりにして、ここまで駆け付けて来ている。
そんな彼らを代表するように、エドウィンがM870をリロードしながら、カイルとノエルの前に駆け寄って来た。
「カイル、ノエル、待たせたな。……その様子を見るに、エドガーの奴は……」
「えぇ……彼は最期まで、立派な警官だったわ」
「……そうか。ならば俺達で、『ケリ』を付けてやらないとな」
「もちろんだ。……手を貸してくれ、皆!」
カイルの真摯な眼に、集った生存者達は口では何も答えず。タイラントへの攻撃を以て、「了解」の意思を
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