後編 REVENGE OF SURVIVORS
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いたところをカイル達に助けられたことがあった。が、どうやら彼らは自分達の脱出より、恩人達への協力を選んだらしい。
「ホラしっかり狙って、ちゃんと撃つ! 無事に脱出出来たら、デートしてあげるって約束忘れた!?」
「わ、忘れてないよっ! や、やるよ、やれば良いんだろ、やってやるよぉお!」
「その調子! 素敵よ、ジョン!」
シルファに発破を掛けられ、ジョンはケンド銃砲店から拝借していたレミントンMSRを、廃車の陰から撃ち続けている。そんな彼の傍らで、シルファ自身もSIGザウエルP228の引き金を、絶えず引き続けていた。
「シルファ先輩、ジョン先輩!」
「ルーク! あんたまでどうしてここに……!」
「僕はカイルさん達の姿が見えたから、あの時のお礼に弾薬を渡そうと思って……もしかして、先輩達も?」
「考えることは同じみたいね。ジョン! 可愛い後輩が見てる前でくらい、カッコいいところ見せなさい!」
「わ、分かってるってばあぁあ!」
「……事情は分かりました。ノエル先輩、僕も加勢しますッ!」
「ルーク……! ありがとう、助かるわ!」
その攻勢に、もう1人の若者が加わる。ラクーン高等学校に通う高校生だった、金髪の美少年――ルーク・ステルベンだ。
彼もまた、過去にカイル達に救われた生存者の1人であり。その両腕に抱えたP90を武器に、救援に駆けつけて来たのである。
――さらに。廃車に身を隠すシルファとジョンに加勢したのは、彼だけではなかった。
「それにしても、P90なんてどこで見つけて来たのよ。あの銃砲店にそんなシロモノ……」
「俺の装備だ。……カイル達を救う為に必要、と聞いてな」
「うわぁ!? あんた誰ぇ!?」
「僕に協力してくれた傭兵の方ですよ。……ありがとうございます、ユウスケさん。これ、凄くしっくり来るんです」
「比較的コンパクトな火器だからな。小柄なお前でも、十分に活用出来るはずだ」
ルークと共に駆け付けて来た、野戦服を纏う黒髪の男性――ユウスケ・ユキハラ。
かつてカイル達と共に、盲目の怪物「リッカー」と戦った経験を持つ傭兵であり。彼らに「借り」を返すという、同じ目的で動いていたルークと出会ったことをきっかけに、ここまで辿り着いていたのである。
「……あいつらを死なせるわけには行かん。俺達の弾幕で押さえ込むぞ」
「はいっ!」
「なーによ、いきなり出て来て仕切り出しちゃってさ。……ま、やることには賛成だけどね!」
長い戦いの中で弾薬を使い果たし、武器としての役目を終えたM4カービンを投げ捨てて。
最後に残されたSIGザウエルP226E2を構えるユウスケは、戦いに不慣れな民間人達を鼓舞するように、引き金を引き続けていた。そんな彼の姿に刺激されたのか、シルファとルークも、
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