第七章 決戦 広島対大阪
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げた。
「おーーっ!」
治奈たちの態度に、なんか変だなあといった表情を作りつつも、アサキも一緒になって腕を振り上げた。
と、ふとアサキは気付いた。
そんなみんなの顔を見ながら、応芽が、なんとも暖かく柔らかい微笑を浮かべているのを。
笑みの理由は分からないけど、その表情の可愛らしさに、アサキまでもが幸せな気持ちになりそうだった。
視線に気が付いたか、彼女はびくり肩を震わせると、咳払いして、自分の焼いたお好み焼きの切れ端を、手掴みで口に放り込んだ。
5
「今日は本当に楽しかった。
何があったのかというと、転校生でありヴァイスタと戦う仲間であるウメちゃん、慶賀応芽さんの歓迎会を開いたのだ。
治奈ちゃんのお店を使わせて頂いたのだけど、まさか広島大阪お好み焼きガチンコバトルになるなんて思ってもいなかった。
もともと治奈ちゃんのお父さんがご馳走してくれるといっていたのだけど、ひょんなことから治奈ちゃんとウメちゃんが戦うことになってしまって。
どっちのお好み焼きも、本当に美味しかったな。
歓迎会も楽しかった。
みんなで騒ぎまくって。
特にカズミちゃんの暴走っぷりったら、笑いが止まらなかった。
ただ、何気ない会話の中で、他人行儀だって治奈ちゃんにいわれたことは、ちょっとショックだったな。
いった方は、全然気にしてなくて、もうすっかり忘れているんだろうけど。
成葉ちゃんまで一緒になって、「頑張ってるのが分かるから余計によそよそしいんだ」とかいうしさ。じゃあ、どうすればいいんだって話だ。溶け込む天性の才能がある人以外は、みんなダメ出し対象じゃないか。
まあ誰が悪いというものではないし、簡単にどうこう出来るものでもない。こればかりは、時間が解決してくれるのを待つしかないよね。
一応残して起きたくて、こうして日記に書いてしまったけど、忘れるようにしよう。
そうそう、「私の歓迎会ってやったっけ?」、とか私がいったら、みんなわたわた慌てだしちゃってさ。「もともと合同でやる予定だった」とか、嘘ばかり。会も途中まで進んだところで、何気なく本人が尋ねて初めて知らされるなんて有り得ないでしょう。
みんな適当なんだからな。
とか、こんな話題をここに書けるということに、実は私、成長を感じている。
こうした悩みや些細な愚痴を書ける友達が、ついに出来たのだということに、幸せを感じている。
隅っこで一人、おとなしくしているだけだったからな。
熊本でも仙台でも水戸でも。
仲間。
ヴァイスタと戦うのは怖いけど、でも、ヴァイスタと戦うために知り合えた、仲間。
治奈ちゃん、
和美ちゃん、
正香ちゃん、
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