第七章 決戦 広島対大阪
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めてるようで褒めてない。
「アホか。関西人は気遣いとおおらかさで出来とるんや」
「どこがおおらかなんだか。……しかしウメッチョ、お前、料理はほんとすげーんだな。あたしん家と同じで、貧乏だから料理してるくちだろ? なのに、あたしなんて全然料理が上手にならなくって、いつも兄貴たちにクソミソいわれてるのにさあ」
「ちょい待ち、誰が貧乏やゆうた? なんや、その勝手な決め付けは」
「えっ、違うの? だって一人暮らしだろ? 料理の手際が妙に慣れてる感じだったし、見た目も、顔も胸もなんか貧しいからさあ」
「か、顔も、胸も……貧しいだあ?」
応芽の指先が、ぷるぷる震えている。
怒りやその他、色々な負の感情がまぜこぜになった、そんな顔で。
「もおお、やだなあウメキチくんはあ。この小梅太夫はさあ。このあたくしが、そんな酷いことを、歓迎会の主賓にいうわけないじゃないのよお」
天使のように、可愛らしく笑ってみせるカズミ。
まったく似合ってないが。
「ゆうたやろ! いまはっきりゆうてたやろ! ……ええわ、もう」
料理以外のところであれこれ叩かれて落とされて、応芽がぶすくれていると、そのすぐ背後から、成葉のすかーんと抜ける邪気のない声が。
「そういやこれってえ、ウメにゃんの歓迎会だったんだよねえ」
「せやから、ウメにゃんいうなゆうとるやろ! ウメって略すな!」
ぶすくれついでに不満をぶちまける応芽の叫び声、を完全無視で、今度はアサキが、
「そうだよねえ。歓迎会だというのに、おウメちゃんが料理バトルとかやっているから、わたしてっきり、示し合わせの余興なのかと思ったら、本気の勝負だったんだもんなあ。びっくりしたけど、面白かったあ」
「せやから、ウメやめい! 頭に余計なの付けるな! おウメとかいうと、お婆ちゃんみたいやろ!」
「可愛いと思うけどなあ、おウメちゃんって。……って、あれええっ?」
突然、素っ頓狂な声を出すと、アサキは、なんだか難しそうな表情になって、小首傾げて腕を組んだ。
「アサキさん、どうかしましたか?」
正香が尋ねる。
「そういやあ、わたし歓迎会なんてやってもらったかなあ、って思って」
「ああ……」
「記憶を遡ると、ヘマしてケーキおごらされたりとか、プロレス技をかけられたりとか、そんなのしかないぞお」
「け、計画通りじゃ。もう一人増えよったら合同でって思っておったから」
治奈が笑いながら、ぱたぱた手首を返した。
「そ、そ、そうだよ、わ、わ、忘れる、わけが、ないじゃあん」
成葉が、アサキの背中を叩いた。
ごまかすように、ばしばしちょっと乱暴に。
「よおし、そんじゃついでにアサキの歓迎会だーーっ!」
カズミがぶんと腕を振り上
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