追想〜白き剣士と鍛冶屋の少女〜
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「あったあった・・・・・ここがリズベット武具店か。」
今俺はアスナに紹介された店に来ている。何故かと言うと、つい数時間前俺の短剣が二つ共砕け散ってしまったからだ。(無論とある黒づくめのバカのせいだ)アスナのお得意様らしく、彼女の細剣<ランベントライト>やキリトの二本の剣の整備もしているらしい。つまり、腕の心配はしなくていい。アスナの細剣もキリトの二本の剣も並みの鍛冶師に整備出来る物ではないからだ。問題はもっと別にある。
「鍛冶屋なのに女の子って何だ・・・・・」
そう、そこなのだ。本音を言うと・・・・・・からかってしまいそうで怖い。
「失礼、空いてるかな?」
意を決して店に入る。できる限りフレンドリーに言ったつもりだが、案の定薄いピンクの髪の少女はびくんとみをすくませていた。
「はいはい!開いています。どんな武器をお求めでしょうか?」
「ええっと・・・・・大型のナイフを二つ。形状はどちらも両刃で、この店で一番良いものを頼む。」
オーダーを済ませると彼女は奥に引っ込み、長さ30cm程のナイフを二本持ってきた。うむ、さすがアスナお得意の名店。質は中々だが・・・・・いかんせん強度が足りない。
「いやすまない、やはりいいよ。悪いな、せっかく運んでもらったのにな」
「う・・・・・あ、あんた、これのどこがだめなの?」
「いかんせん強度がな・・・・・別にお前の武器が悪いわけしゃないぜ?もういいよ。ありがとう」
少女は細い体を震わせる。余程悔しかったのだろう、目には涙がたまっていた。申し訳ないな・・・・・と思い、彼女を励まそうと自分したところ、
「じゃあ何がいけないってのよーーーーーー!!」
少女は、力の限り絶叫した。至近距離からの大音量でぐわんぐわんと意識が揺さぶられる。
「いやだから、強度が少し足りないんだよ・・・・よし見てろ」
二振りの短剣を台に置き、その刀身めがけ両手剣単発スキル<バスター>を当てる。元々はキリトが剣を選ぶ時にする事なのだが、いつの間にか俺にも移ってしまった。
「あーーーーーー!!」
鍛冶屋の女の子が悲鳴を挙げた、と同時に・・・・・
ばぎん、とちょっと取り返しのつかない音がして刀身がへし折れた。鍛冶スキルを上げていない俺でも解る。これはおしまいだ、と。ヤバイ、どう取り繕えばいい・・・・・・?
「あ・・・・・・・あんた、何してくれてんのよーーーーー!!」
その怒りはごもっとも。今の俺が何をいっても言い訳にしかならないだろう。こんな時することはただひとつ。
「本当に悪かった、この剣に使ったインゴットは取って来る。弁償もする。だから許して欲しい。」
心を込めて謝る。すると彼女は意地悪くにぃぃと笑って
「解ったわ、前一
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