第二章
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「そうしてね」
「それじゃあ」
「ええ、じゃあ二人でね」
「夏祭りをだね」
「楽しみましょう」
「それじゃあね」
雄馬も頷いた、そしてだった。
彼は浴衣姿の麗子と夏祭りに会うことになった、だが。
本当に浴衣で巨乳が目立たないかどうか不安であった、それで夜までどうなのかと思っていたが夕方になり。
彼は膝までのグレーのズボンと草履、白いティ―シャツという夏らしいシンプルな格好で夏祭りに出た。
そうして祭りのある神社の前で麗子を待っていると。
待ち合わせの時間丁度に麗子が来た、雄馬は二分前に来たが彼女は丁度だった。その彼女の身なりはというと。
淡い赤の青の朝顔の模様の浴衣で帯は赤だ、そして。
胸は帯の上にあった、だが。
麗子自身が言う通りあまり目立たない、それで彼は目を丸くさせて言った。
「言った通りだね」
「案外でしょ」
「あまり目立たないよ」
こう言うのだった。
「どうもね」
「そうでしょ、本当にね」
「帯が下にあるから」
「それと実はね」
「実は?」
「胸さらし巻くから」
このこともあってというのだ。
「胸が抑えられてね」
「ああ、さらしにしたんだ」
「ブラも考えたけれど」
それでもというのだ。
「やっぱり着物だから」
「さらしにしたんだ」
「そうなの」
「それで余計になんだ」
「それに着物自体がね」
これがというのだ。
「胸を目立たさないのよ」
「しっかりとした生地で包むから」
「あと全体的にゆったりしてるでしょ」
「シャツとかブラウス以上にね」
「だからよ」
このこともあってというのだ。
「案外目立たないのよ」
「そうなんだね」
「だから胸を隠そうと思ったら」
「浴衣の方がいいんだ」
「冬、お正月だと着物もね」
「いいんだね」
「そうなのよ、これが」
「成程ね、よくわかったよ」
まさにとだ、雄馬もここで頷いた。
「胸を隠そうと思えば」
「案外浴衣はいいのよ」
「そうなんだね」
「ええ、じゃあ今からね」
「夏祭りにだね」
「行きましょう」
「それじゃあね」
雄馬は今度は麗子の言葉に素直に頷いた、そうして。
神社の境内の道の左右に連なっている出店を回ってフランクフルトや玉蜀黍、たこ焼き、林檎飴、たい焼き、焼きそば、焼き鳥、綿菓子等を食べた。そうして祭りの雰囲気自体も楽しんでいたがここで。
自分の横にいる麗子を見た、それで彼女に目を丸くして言った。
「あの、やっぱりね」
「どうしたの?」
「浴衣まずいよ」
草履と足袋で軽快に歩く彼女に話した。
「どうもね」
「どうしてなの?」
「麗子ちゃん今髪の毛あげてるね」
普段は黒のロングヘアだがだ。
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