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ソードアート・オンライン 八葉の煌き
剣聖と呼ばれる訳
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「あ、そう。」
何時もと同じように軽口を叩きながら、アリオスは後ろ手を振りながら去っていった。
「あのーすみません、武器、良いですか?」
それと入れ違いになるように何人かの客が入ってきた。
「いらっしゃいませー!」
特上の笑顔でそれに応対しつつ、あたしはアイツを見送った。

「やっぱりいいな。」
磨き抜かれた刀身を見て、俺は嘆息した。やっぱあそこが一番だ。前に違う店で「八葉丸」を研ぎに出した事があったけどまるで店員が怯えるようにこの刀を扱うから時間がかかってしょうがない。その点リズベットは作業が早い。「八葉丸」の事を眼の敵にしてるらしいが、それでもいい仕事をする。
さてこの後はどうしよう。彼女にも言ったとおり近くの狩場にでも行くかな、俺は大太刀を担いで転移門に向かった。
その間すれ違うプレイヤーは皆俺を見てヒソヒソしていた。…あの目立つ血盟騎士団の制服は着てないんだけどな。案の定何人かのプレイヤーが俺に話しかけてきた。
「あのーもしかして、あなたは『剣聖』…ですか?」
剣聖、気恥ずかしい渾名だがそれは確かに俺だ。そしてこんな大太刀を担いでいるプレイヤーは他に一人もいない。人違いだと言いたいのをグッと堪えて「そうですよ。」と応対した。
「ほ、本物!?」
「何でこんな所に!?」
どよめきが彼らの間に広がりきる前に、俺は人差し指を唇に当てた。
「すみません、今日は個人的な用事で来ていますので…できれば、ご協力を。」
「あ…す、すみません。」
「いえいえ、ではまた何時か。」
人間ができてるプレイヤーで助かった。前に非常識な奴に絡まれて散々な目に遭った事がある俺は今でもそう言う事を気にせずにはいられない。もっともその気になれば鍛えた敏捷ステータスに物を言わせて走り去る事もできるがそれをやっても悪い評判しか広がらないのでホッとして、俺は狩場に向かった。

さて、狩場に向かった俺が見たのはトカゲ男…レベル82モンスター、リザードマンロード。
「ま、手頃な相手だな。」
本来は82と言うレベルは如何にこのゲーム中最強クラスのプレイヤー「攻略組」の連中であろうとソロで相手をするには余りに面倒な部類に入る。ソロで戦うならば長い時間をかけて奴を誘導してAIに偽の攻撃パターンを学習させるとか何とかしなければ無傷では勝てない相手。
だがそれでも俺は手頃だと思った。剣聖なんて通り名がある位には俺は強い。それに俺は…
「せぃっ!」
遠慮容赦なく「八葉丸」を振り抜いた。袈裟切りの起動を描いて剣閃がトカゲ男に襲い掛かる。
あっさりと避けられた、無論俺もこんな物で勝負が決まるとは最初(はな)っから思ってはいない。だが俺は避けられる事も構わずもう一度手首で剣を返す。その動きに反応して剣が光る。スキルが立ち上がるのを感じてその勢いのまま打ち込む
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