剣聖と呼ばれる訳
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訳。ごめんねー?」
「テンションあがったら客を吹き飛ばすのかよお前は…まあいいや。コイツ研いでくれ。」
そう言って背中に括り付けてる長い太刀…あたしが知る中でも最高峰の業物「神太刀八葉丸」を差し出した。相変わらず信じられないくらい重い。そしてこの太刀はあたしにとっては相当苦さを噛締めさせる敗北の刀なのである。
なぜか?それはこの刀のメニューにその答えがある。固有名「神太刀八葉丸」製作者の銘、無し。
本人が言うには宝箱から手に入れたと言っているがそれが真実かどうかは確かめようも無い。だがこの太刀があたしを含めた鍛冶屋のものではないと言うのは間違いないことなのだ。初めてこの刀を拝んだときどうにかしてこの化物刀を超える刀を作らねばならないと一種の使命感に燃え刀をひたすらに造りまくった事があったが終に刀でこれを超えるものは愚か並ぶものさえ一本も作れなかった。無論刀に限った話であって、他の武器…特に片手用直剣ならこれに並べても見劣りしないような剣を一本だけ今年の初夏に作る事ができた。そのことが嬉しいやら悔しいやら。
研いでいるとギラリとあたしをあざ笑うような鋭く鈍い輝きを放った。「八葉丸」があたしに言ってくるような気がした。お前には俺を超える刀は打てねーよ…
うるせぇっ!と心の中で叫び返して眼の敵のように砥石に打ち付けた。他の武器には例えそれがどんな業物でも絶対にこんな気持ちにはならない。まるでコイツは妖刀だ。あたしはこの刀がだいっきらいだがそれでもまるで芸術作品のように魅了する。こんな刀が打てたらと思わずにいられない。
乱暴にやった筈なのに、抜群の輝きを「八葉丸」は放った。ぶっきらぼうにこの使い手を呼んだ。
「終わったよ。」
「おおーいい感じじゃねえか。」
「そりゃあ地が良いからでしょ。」
アリオスは苦笑した。
「そんなに嫌いか?コイツ。」
「嫌いに決まってんでしょ。本当に人のプライドをへし折って来るんだからソイツ。」
シャーと言う音をたててアリオスは八枚の葉がデザインされた鞘に納めた。
「悪かったな…でも『八葉丸』を研げるような奴はそうそういなくてさ。ほれ。」
そう言って150コルのコインを弾いた。本来は100コルなのだが、50はこの男の気遣いだ。流石に悪いと思って最初は断っていたが今はありがたく受け取る事にしている。
「毎度。これからどうすんの?KOBの本部にでも行く訳?」
「んー…今日の任務は終わったからな。どっかで切れ味を試しに行くのもいいかな。レベル上げにも。」
「…アンタも大概レベル上げ好きよね。キリトの事、言えないよ?」
「そんなことぁ無いさ、俺はヒマを見つけるのが得意なだけさ。」
「ヒマを持て余してまだ研ぐ必要の無い武器を持ってくる奴が良く言うわね。」
「うっせ、今日は急だったんだよ。」
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