暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 八葉の煌き
剣聖と呼ばれる訳
[1/6]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
数体のモンスターを倒した後は特に何も無く街に辿り着く事ができた。…倒したのは俺ではなくアスナだが。結局出番が無かった「八葉丸」を肩に担いで二年たった今でも虚構(フィクション)と考えられない地面の上を歩く。いや今は確かにここが現実だが入った直後からここが虚構でないと思った奴はいないだろう。いたらそいつはこの世界を動かすマシン、ナーヴギアのキャッチコピー「完全(フル)ダイブ」に踊らされているだけだ。
…ただ、俺もこのナーヴギアを初めて拝んだ時の感動は筆舌尽くしがたいものだったのであまり強くは言えない。完全なる仮想現実(ヴァーチャルリアリティ)、現実との完全な隔離。それになんの夢も持たない奴は俺はゲーマーとは認めない。
この「ソードアート・オンライン」はそのナーヴギアの生み出す世界を最大限に駆け抜ける事のできる夢のオンラインRPG…の筈だった。

・・・諸君らの脳は、ナーヴギアによって破壊される・・・

口の奥で、ギリッという音がした。
あの瞬間、俺達の全ては、世界さえも変わってしまったのだ。
朝起きて、親父と他人には理解もできないような話をして、母さんの作ったご飯を食べて学校に行って明日奈や他の友達と他愛無いお喋りをして部活の野球をやって家に帰ってネトゲをする…俺にとって「ソードアート・オンライン」とはその生活のリズムの中に組み込まれる些細なものでしかなかった筈なのだ。
「アリオス?」
「ん…なんだ?なんか俺の顔についてる?」
「ううんそうじゃないけど……何だか考え込んでるみたいだから。」
前世…という言い方もアレだがその時からコイツは勘はいい。コイツに対してだけは親にもできた隠し事を通せたためしが無かった。
それでも見透かされたのがちょっと悔しくて
「別に。」
そっけなくそれだけ言った。
「ふうん……」
アスナもそれ以上追求しては来なかった。
何となく気まずくなって何か話題を探していると道の向こうから長髪を後ろで束ねた痩せた男が歩み寄ってきた。
「アスナ様!…にアリオス様。御無事で何よりです。」
その声を聞いた途端アスナがげんなりした顔になった。俺もきっと同じ様な顔を一瞬しただろう。
この男の名前はクラディール。俺達と同じ血盟騎士団の一員だ。アスナの護衛をしている。アスナにはその美貌ゆえに俺が傍にいない時にトラブルがあってその事を知った血盟騎士団団長が万一の事あってはと護衛をつけたのだ。
俺個人の見解で言えばそんな物必要ないと思う。副団長のもう片方…つまり俺と比べると確かに弱いがコイツに正面きってちょっかいを出せる奴は断言しても良いが絶対にいない。閃光の渾名は伊達じゃない。
アスナだって快く思っていないのは、いつも本人が俺やその他の友達に愚痴っているから知っている。
それに協力しなければアインクラッドを上り詰めら
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ