第二章
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「偏向報道だな」
「どう見てもな」
「与党の悪口ばかりでな」
「特に首相への」
「それで野党の悪いところは報道しない」
「完全にスルーか」
「報道しない自由だな」
報道する自由どころかというのだ。
「ここまでするか」
「これじゃあテレビ観ても馬鹿になるな」
「ああ、事実がわからないからな」
「それじゃあな」
「もう観ても仕方ないな」
テレビはというのだ。
「新聞も雑誌も酷いにしても」
「テレビが一番酷い」
「野党が政権取ったら日本は薔薇色か」
「もう何から何までよくなる」
「そんな筈あるか」
「絶対にとんでもないことになるぞ」
ネットでは真剣に危惧されていた、だがテレビや新聞だけを目にしている者達は違っていた。それでだった。
マスコミの言うことを鵜呑みにして衆院選を心待ちにしていた、そうして実際にその日が来るとだった。
彼等はこぞって投票した、その結果。
野党は地滑り的な圧勝を遂げた、全議席の三分の二とまではいかなかったがそれでも安定政権になることは間違いなかった。
マスコミは大喜びで彼等に投票した者達も同じだった。
「日本は変わるぞ!」
「一変するぞ!」
「明日から一気に変わるぞ!」
「これでな!」
こう口々に言ってだ、そしてだった。
日本の未来に期待した。しかし。
彼等があると言っていた埋蔵金はなかった、探しても探しても。
そしてだ、建設業界については。
「急に仕事なくなったからな」
「インフラの整備とかな」
「お陰で失業だな」
「ああ、そんな人増えたな」
業界全体が斜陽だった、しかも災害対策がどんどん怠たわれる様になっていた。しかも技術投資も。
区分けと称して予算がどんどんカットされていったのだった。
「一番じゃないと駄目なんですか?」
「いや、一番を目指すものだから」
「そんな理由で予算カットされたら困るよ」
「こっちは将来見据えてるんだよ」
技術スタッフ達はショートヘアで駝鳥をうんと悪くしてそこに歯を加えた様な顔のタレントあがりの女性議員に言われて困惑した。
「技術投資とかわかってるのかな」
「こっちも大事だってのに」
「しっかり考えて欲しいな」
「何でも予算カットしたらいいものじゃないだろ」
「必要なところもあるんだよ」
こう言うがそちらの予算は減らされていった、災害対策以外にも。
国防もだ、自主国防どころか。
「沖縄の基地どうなるんだ?」
「移転させるとかさせないとか」
「だから何処に置くんだよ」
「基地は必要だろ」
「言ってることがぶれてるぞ」
首相のそれもというのだ。
「トラストミーとか言うけれどな」
「腹案があるとかな」
「そういうのないだろ」
「全然なくて言ってるだろ」
このことが
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