第六章
[8]前話
「よかったですし」
「ならですか」
「はい、また」
「帰っていらして下さい」
店長は岳人を笑顔で送った、そしてメイド達も行ってらっしゃいませと言ってくれた。その後でだった。
岳人はアルバイトに出てそれから歩の部屋に行った、その時酒の肴に柿ピーを買ってそれでそれぞれ座布団の上に座って向かい合って飲んで食べながらだった。
店のことを話した、すると歩はそれはという顔になって言った。
「凄い話だな」
「そうだよ、おかしいと思ったらな」
「メイドさんはメイドさんでもか」
「男の娘だったんだよ」
「そうだったんだな」
「顔は本当にな」
それだけ見ればというのだ。
「下手な女の子よりもな」
「可愛かったんだな」
「皆な」
「それは凄いな、チラシでもな」
「可愛い娘ばかりだったよな、あれ修正じゃなかったんだよ」
そうしたことはしていなかったというのだ。
「むしろ実物の方がな」
「可愛かったんだな」
「皆な、ただ背と声はな」
「その二つはどうしようもないしな」
「胸でもわかったしな」
「おかしいってか」
「ああ、けれどいい店だったぜ」
男の娘の店でもというのだ。
「本当にな」
「それは何よりだな」
「だから今度またな」
岳人は焼酎を飲みつつ歩に話した。
「行くな」
「そうするんだな」
「ああ、いいお店だったからな」
だからだというのだ。
「コーヒーやケーキも美味かったし値段もいいしな」
「可愛い娘ばかりだしか」
「サービスもな」
「全部及第か」
「だからな」
「また行くんだな」
「そうするな」
「そうか、ただお前男の娘もいけたんだな」
歩は柿の種を食べつつ岳人に尋ねた。
「そっちも」
「いや、メイドの娘と付き合うとかな」
「しないのかよ」
「俺はメイドが好きだけれどな」
それでもとだ、岳人は自分のコップに焼酎を入れつつ話した。
「それでも付き合うとかはな」
「しないんだな」
「見て楽しむだけさ」
「そうなのか」
「付き合うとかは考えてないさ、だからな」
「男の娘でもいいんだな」
「ああ、じゃあまた行って来るな」
岳人に笑顔で話す、そうしてだった。
歩にその店の話をさらにしていった、その店がどれだけいい店だったかということを。そこには性別なぞ問題にしないメイドへの純粋な想いがあった。
メイド達の秘密 完
2019・12・23
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