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メイド達の秘密
第五章

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「女の子のお店ではないのです」
「では」
 店長のその言葉を聞いてだ、岳人はすぐに言った。
「このお店は」
「はい、男の娘のお店なのです」
「そうだったんですか」
「そのことも宣伝していましたが」
「あれっ、お店のチラシには」
 それを見て来たがとだ、岳人は店長に返した。
「何も」
「書いていなかったですか」
「そうでしたが」
「私がお店のチラシを作りましたが」
「そこではですか」
「抜けていましたか、すいません」
「そうだったんですか」
 これには岳人も唖然となった、流石に想定していなかった。それで店長に対して言うのだった。
「まさかそうしたお店だったなんて」
「既存のメイド喫茶もどうかと思いまして」
「それで、ですか」
「当店は男の娘のお店にしました」
「そういうことですね」
「それで如何でしょうか」
 ここで店長は岳人ににやりと笑って問うてきた。
「当店は」
「確かに可愛い娘ばかりですね」
 性別を知ってもだった、岳人はこのことは否定出来なかった。どの娘も顔立ち自体は本当に女の子の様だからだ。
「仕草も」
「女の子ですね」
「むしろ下手な女の子よりも」
「そうした風に教育しているので」
「だからですか」
「当店はどの娘もです」
 全てのメイドの男の娘がというのだ。
「一流のメイドなのです」
「そうなんですね」
「はい、ではお気に召されましたら」
「また帰ってきて欲しい」
「お願い出来ますか」
「コーヒーもケーキも美味しかったですね」
「勿論味にも気を使っています」
 こちらも忘れていないというのだ。
「お出しするものですから」
「喫茶店ですからね」
「そちらが悪いと」
 メイド喫茶もというのだ。
「お話にならないので」
「だからですね」
「調理もです」
「気を使われていて」
「それでなのです」
「そうなんですね、お値段も」
 岳人はこちらの話もした。
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