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ほのぼの巫女の推理
第六章
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「もうそれがわかってるのよね」
「ああ、もうな」
「だったら周りの人達にすぐに入院させられるわよ」
「ああ、梅毒は感染するからな」
「放っておけないから」
 周りとしてもというのだ。
「だからね」
「無理にでもか」
「入院させられてる筈よ、今頃」
「じゃあこの人はないか」
「米須家さんは指名手配ならもう逃げないといけないから」
 警察からというのだ。
「幾ら被害者に怨みを持っていてもね」
「仕返しどころじゃねえか」
「だからこの人でもないわ」
「じゃあ役充さんは」
「この人は女の人同士の修羅場でね」
 女好き故に引き起こしてしまったそれによってというのだ。
「大変だから」
「仕返しどころじゃねえか」
「そう、となると」
「残る一人か」
「裏の仕事をしていても暇だしチンピラってことは暴力的でしょ」
「それがチンピラだよな」
「決めつけはよくないけれど」
 それでもというのだ。
「この人は障害の前科があるのよね」
「暴力沙汰幾つもやってるってな」
「だったらね、時間もあるし」
「他の人は入院とか逃げたり修羅場の中にいてか」
「だったらね、絶対にこの人よ」
 愛奈は微笑んで語った、そしてだった。
 愛奈の言葉通りこの件で捕まったのは鹿目田だった、だが他の三人もそれぞれ犯罪者だったので逮捕された。
 こうして事件の真相はわかった、だが愛奈の推理の件は警察にも伝わり彼等もその通りだったと驚いた。自分達が本格的に捜査する前に見抜くとはと。
 だが愛奈はその話を聞いてもいつも通り大学に通いアルバイトをして家で楽しく過ごすだけだった。そんな姉に。 
 はるかは神社の中で甘酒を姉に差し出しつつ言った、今日は神社の振る舞いで参拝した人達に出していて二人も飲んでいるのだ。
 そうして甘酒を受け取って飲む姉に言った。
「お姉の推理通りだったな」
「そうね」
「やるじゃねえか、お姉」
「たまたまよ。何かお話聞いてたらね」
 それでとだ、愛奈は妹にほんわかとした笑顔で答えた。
「そうじゃないかって思っただけで」
「何でもないのかよ」
「たまたまだから」
「そうか、けれどまた何かあったら」
「推理してみたらっていうの?」
「自分の足で現場行ったりしないで話聞いただけで真犯人指摘するなんて凄いぜ」
「ポワロさんみたい?」
「まんまだよ、だからな」
 それでとだ、はるかは自分も甘酒を飲みつつ姉に話した。
「これからも何かあったらな」
「推理してみたらっていうのね」
「それで真犯人暴いたらどうだよ」
「事件なんて起こらない方が平和でいいよ」
「それはそうだけれどさ、起こったらね」
「今回はたまたまよ」
 愛奈の調子は変わらない、だが二人が住んでいる八条町のある神戸で事件があると。

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