第五章
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「それどころかバチカンとかな」
「そこは言わないでね」
「寄付とか貯金とかかか」
「そう、まあ他の宗教のことは」
「言わないでか」
「けれど宮司さんは世間のことを色々聞いていて」
それでというのだ。
「ヤクザ屋さんのこともね」
「よく知ってるか」
「被害者の人の関係聞いたらね」
「そうしたらか」
「お姉ちゃんわかるかも」
はるかににこりと笑って話した。
「ひょっとしたら」
「いや、お姉それでわかるのかよ」
「ひょっとしたらよ。被害者の人は頭の後ろ殴られたのよね」
「何か金属でな」
「そこからわかるかも知れないから」
「ちょっとか」
「宮司さんに関係聞いてみればね」
被害者の闇金担当の暴力団組織幹部の人間関係をというのだ。
「ひょっとしたら」
「じゃああたし聞いてくるよ」
はるかは愛奈に自分がと申し出た。
「それでお姉に話すな」
「お姉ちゃんが聞くものじゃ」
「いいさ、あたしも何か動きたいからさ」
猫的な興味本位からだ、はるかはそうした気分になっていた。おっとりした姉とは正反対に彼女は活発だ。姉妹で個性が正反対なのだ。
「宮司さんに聞いてみるな」
「それじゃあね」
こうしてだった、はるかは次のバイトの時に宮司に被害者のことを聞いた、すると愛奈が言った通り宮司は街というか神戸の情報通であり。
裏社会のことにも詳しいのか被害者のこともよく知っていた、何故知っているかとはるかが聞くと神社には人がよく出入りしていてかつ色々な付き合いがあるせいでという。
それで被害者を怨みに持っている者も多かった、その全てが姉妹が話した通り碌でもない者だった。
酒、異性、ギャンブル、そういったことで闇金に手を出している様な者ばかりであり被害者の悪辣な取り立てや返済のさせ方に怨みを持っていた。
その面々のことをはるかから神社の境内の中でおみくじや破魔矢を彼女と一緒に作りながら聞いてだった、愛奈は妹に破魔矢を作りつつ言った。
「何人か怪しい人いるわね」
「誰と誰だよ」
「モグリの風俗嬢でお酒大好きなの山王さん、麻薬密売人でギャンブル好きの米須家さん、総会屋で女好きの役充さんとチンピラで何でもありの鹿目田さんね」
「全員犯罪者だよな」
はるかも自分で話しながら思ったことだ。
「そうだよな」
「そうよね、四人共それだけで警察に通報出来るけれど」
「だよな」
「それで山王さんは梅毒に感染していて米須家さんは指名手配で役充さんは女性関係で揉めに揉めていて鹿目田さんは今裏の仕事をしている」
「そうなってるみたいだな」
「じゃあ」
愛奈はここまで聞いて言った。
「この中で犯人は鹿目田さんよ」
「何でわかるんだよ」
「だって。まず山王さんは梅毒なら」
この悪質な性病ならというのだ
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