第三章
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「それでどうかしら」
「わかったわ」
奈津美もそれでと頷いた、そしてだった。
二人でその場に入ってそこで層雲峡の方を見ることにした、そうするとそこでは。
アイヌの服であるアットゥシを着た小人達が互いに争っていた、見れば能略男女いて剣や弓矢を持っている。
そうして互いに争っている、二人はその様子を見てだった。
最初我が目を疑った、だが理恵はすぐに奈津美に話した。
「コロボックス同士の戦いね」
「そうみたいね」
奈津美もその様子を見て話した。
「どうやら」
「そうよね」
「コロボックルも戦争するのね」
「そりゃ小人だってね」
それこそとだ、理恵は奈津美に答えた。
「社会があって」
「社会があるなら」
「残念なことだけれど」
「戦争もするのね」
「社会があったら政治があってね」
「それで衝突もあって」
「資源とか土地とかの取り合いがあったり」
それか、というのだ。
「宗教とかもあって」
「それで戦争もする」
「だからね」
「それで今戦争してるのね」
「そうでしょ」
こう奈津美に話した。
「それでね」
「ううん、とにかく色々な理由でなのね」
「戦争してるのよ」
「そういうことね」
「だって同じ動物でも群れ同士で戦ったりするでしょ」
「お猿さんとかね」
「狼でもあるし」
それでというのだ。
「コロボックルもね」
「争ってるのね」
「そうよ、それで何かね」
「どうしたの?」
「いや、層雲峡にいるコロボックルの方は」
ここで理恵は気付いた、それで言うのだった。
「皆目つき悪くない?」
「そういえば何か」
奈津美は理恵の言葉を受けてそちらの小人達を見た、見れば彼等は層雲峡の奇岩が連なっている場所に籠り戦っている彼等はどの者もだ。
人相が随分と悪い者ばかりだ、それで言うのだった。
「随分ね」
「そうよね、あっちの方がね」
「人相の悪い小人ばかりで」
「何ていうか」
奈津美は彼等を見てこうも言った。
「時代劇の山賊とか」
「そんな風よね」
「柄が悪くて底意地が悪そうな」
「そんな小人ばかりでね」
「攻めている方は」
その彼等はというと。
「普通のお顔ね」
「あっちの方がずっと多くてね」
「それで人相も普通ね」
「お鬚を生やしている人も多いけれど」
アイヌ民族特有の濃い髭がある、そして刺青が見られる。
「アイヌの人達そのままで」
「普通によね」
「何も問題がない」
「そうよね」
「そう、だからね」
それでというのだ。
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