暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
艦娘とスイーツと提督と・EX5
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いました。そこで、廊下の窓ガラスに映る自分の顔を見て愕然としました。頬が痩けて、目の下には濃い隈が出来て、今にも死にそうな病人の様な顔。自分でもこれはいけないと思い、先に食事をしようとふらつきながら食堂へ向かいました。

「あら赤城さん、お疲れ様です」

 食堂では、いつもの様に間宮さんが笑顔で迎えてくれました。

「あの……お食事、出来ますか?」

 出そうとしているのに、出てくるのはか細い声。随分と弱っていたんだなと自覚した途端、お腹がギュルギュルと鳴りました。

「ちょっと待っててくださいね、今すぐ準備しますから♪」

 そうして出てきたのは、1杯のうどん。具材もかまぼこにネギ、油揚げ、鶏肉に生卵と少し豪勢でした。まずは出汁を一口啜ると、いつものうどんのつゆとは味が違いました。間宮さんのうどんつゆは鰹節がベースですが、このつゆは煮干しの味がします。でも力強くて優しいその味は、私の中に染み渡っていくようでした。そこからはもう無我夢中で、一気に中身を平らげておつゆまで全て飲み干してしまいました。そして丼の下に、メモが挟まっていたのに気付きました。そこには、

『加賀の後を追う気か?アイツはそんな事を望んでねぇぞ』

 と、少し乱暴な文字で書かれていました。その瞬間、私の目からは涙が溢れてきました。このうどんを誰が作ったのか、このメモを書いたのが誰なのか。そしてその人は、私以上に苦しんでいたのに。あぁ、私はどれ程馬鹿な真似をしていたのか……この1杯のうどんで、私は頭を殴られた様な衝撃を受けました。

「……間宮さん、お代わり貰えますか」

「大丈夫ですよ、沢山召し上がって下さい」

 そうして私はしっかりと休息を取り、体調も戻った数日後に見事沖ノ島攻略を果たしました。





「……とまぁ、こんな事があったんですよ提督」

「ふ〜ん、優しい奴もいたもんだ」

「ふふ、そうですね。最高の司令官だと私も思ってますよ?」

 そう言いながらニヤニヤしつつこっちを見てくる赤城。別に俺が作ったと断定されてる訳じゃねぇのに……おかしいなぁ(すっとぼけ)?さて、冗談はさておきうどんの調理に戻るか。

5.生地を延ばす

 寝かせた生地をまた足踏みして、2cm位の厚さになるまで踏む。生地の上下と生地を延ばす台の上に打ち粉を振り、生地の中央に麺棒を載せる。真ん中から奥に向かって生地を延ばし、180度回して反対側も延ばす。90度回して延ばし、また180度回して延ばして四つ角を作る。麺棒に生地を巻き付け、麺棒ごと押して引くを繰り返す。

「この時の力加減はどうすれば?」

「押す時は力を入れて、引く時は抜くようにするといいぞ」

 
 ある程度延ばしたら180度生地を回し、全体的に生地を延
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