三十四 桜吹雪
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思っていたソレは、煙玉に刺さり、そこからじわじわと白煙が溢れ、爆発したらしい。
視界が不明慮になる中、ヤマトとシカマルは身構えた。
「しっかりしろ!!ナル!!」
シカマルの声でハッと我に返ったナルは、やがて白煙の中を漂うソレに眼を凝らした。
「桜…?」
桜の花びらがひらひらと宙を舞っている。
それは次第に数を増し、まるで花嵐の如く渦巻き始めた。
美しい光景に思わず見惚れてしまう。だが直後、花吹雪の中から桜ではない何かが身をくねらせてナルに躍りかかった。
「うわっ」
反射的に避けたナルのすぐ横を、蛇が飛んでゆく。
白煙と桜の花嵐に紛れ込み、数多の蛇があちこちから、ナル・シカマル・ヤマトへ襲い掛かってきた。
視界を奪われた今、状況が把握できない。まずはこの危地を脱しなければ、サクラを連れ戻すどころではない。
蛇を払いのけたシカマルが印を結ぶ。
「【影真似の術】!!」
影を伸ばし、術者であるサクラの動きを止めようとする。
視界は花で埋め尽くされようとも、足元は疎かだ。
よってシカマルの影は確かにサクラらしき人物の影と繋がる。
「とらえた!!」
「よしっ」
影がつながった感触を覚えたシカマルが頷くや否や、ヤマトが印を結ぶ。
「【木遁・黙殺縛りの術】!!」
ヤマトが伸ばした腕。
そこから縄の如く伸びた木が、シカマルがとらえた影の持ち主に巻き付く。
「つかまえた!!」
「……誰をかしら?」
ヤマトが確信すると同時に、ナルの背後からサクラの声が響く。
ハッとしたナルは「ヤマト隊長!離れるってばよ!!」と叫んだ。
「なに…!?」
己の腕を木に変えていたヤマトはナルの注意で、捕縛対象の手応えが無いことに気づく。
直後、自分の腕をつたって、逆に蛇がヤマトのほうへ向かってきた。
「くっ」
慌てて術を解く。
ヤマトの腕に巻き付いていた蛇がぼとりと落ちた。
捕らえたと思った対象が数多の蛇だったことに、シカマルは顔を顰める。
【影真似の術】で影を繋げた時は、確かに人の影だという確信があった。
それなのに何故…。
ハッと眼を瞬かせたシカマルは、一度、深呼吸すると己のチャクラの流れを止めた。
直後、一気にチャクラの流れを乱すと、寸前まで見えてこなかったモノが見えてくる。
(そうか、これは────)
シカマル同様、気づいたヤマトも同じ動作をする。シカマルがナルに囁いて、同じ動きをするように促した。
戸惑いつつも、ナルもチャクラの流れを止め、そこですかさず一気に相手を上回る力でチャクラの流れを乱す。
すると、白煙は晴れてゆき、花嵐もみるみるうちに消えてゆく。
相手の五感に働きかけ、その
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