45 東京から来た少女
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「まあ、まあ。そうだ、りえもここにいる間、俺達と遊ばねえか?」
「そうだね、折角会えたんだし!」
「ありがとう、そうさせてもらうわっ!」
りえは清水で友達ができて嬉しかった。
三河口は札幌に住む従姉・ありが今住む家にいた。ありの夫・悠一とも対面していた。
「そういえば七夕の夜の大雨は酷かったってねー」
「ああ、ありのお父さんとお母さんもいたんだよな?」
「はい」
「その後、一日で干上がったってね」
「はい、さりちゃんが浸水した町を見て叔母さんが持っていた不思議な護符の力で干上がらせたのです」
「その護符ってのは?」
「叔母さんが戦後の食糧難に苦しんでいた時に、異世界からの人間から貰ったそうです。それで戦後の混乱を乗り越えたとか」
「そうだったの・・・」
「まあ、四月の地震みたいな現象以来、変な事が起きてるからな。異世界の人間とか訳の分からん奴が攻めたり」
「札幌にも来ているんですか?」
三河口は従姉の婿に聞く。
「ああ、それでこの前、異世界からの人間ってのが出てきたんだ。そいつは平和の為に動いてんだとさ」
(異世界の人間・・・!!)
「どうもお母さんがその人の事を知ってるみたいなの。今、日本を守る為に各地で呼び掛けているんですって」
「平和の為に動く・・・」
三河口は七夕豪雨の時に出会った森の石松や、濃藤の妹達が出会ったイマヌエル、そして彼女らとかよ子達が秘密基地の事で揉めた時に出会っていたフローレンスの事が頭に浮かんだ。
「その人の名前は何とおっしゃいました?」
「ああ、イマヌエルと言ったな」
かよ子は昼食後、教会へと向かった。例の杖を持って。御穂津姫も同行していた。御穂津姫は方角を示す。
「あちらの教会になります」
「ありがとう」
「それでは、私はこれで失礼します」
「え、行っちゃうの?」
「教会というのは私にとっては異教の場所で神社を司る者である私にはあまり相応しくない場でありますから。それでは」
御穂津姫はそう言って消えてしまった。
「神社に教会かあ〜、確かに場違いかもね・・・」
かよ子はこの先は一人で教会に進む。教会に入った。
「あら、貴女、どうしたの?」
かよ子はどきっとして振り向いた。幽霊かと思ったが教会のシスターだった。
「あ、あの、私・・・」
かよ子は心を落ち着かそうと深呼吸した。
「こ、ここでピアノを弾いている子がいるって聞いて会いに来たんです」
「ピアノを弾いている子・・・。りえちゃんの事ね。今お昼ごはん食べに行ってていないけど、午後も来るって言ってたからここで待ってたら会えるわよ」
「は、はい、ありがとうございます」
かよ子はピアノのある礼拝堂の長椅子に座って待つ事にした。15分ほど待った。かよ子杯の所有者がどんな子か気にな
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