新暦79年
異世界旅行 〜カルナージ〜
memory:38 模擬戦 その3
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-side other-
ルーテシアは飛行し、悠莉はウィングロードやエアライナーを飛び回りながらキャロが召喚、使役する大量の鎖を避ける。
「ほらほらぜんぜん当たってないわよ」
ルーテシアの言う通り、狙いが甘いせいか、二人を捕らえられずにいる。
心なしか、悠莉を狙う鎖が多いように感じる。
「しつこい! って、うわっ!?」
「え? キャッ!?」
キャロの鎖を避けようとした二人だったが接触してしまい、そのせいで脚が止まってしまった。
「げっ!?」
「これって……ヤバくない?」
鎖に全方位のほとんどを囲まれ、二人は意図的に一ヶ所に集められていた。
「気付いたんだね。さっきまでのは当てるためじゃなくて―――、撃墜のための布石だから!」
悠莉とルーテシアの背筋に嫌な予感が走った。
改めて周囲に目を向けると放置していたコロナといつの間にか回復を終えたリオがいた。
その二人がこんな好機を逃すわけもなく、
「行きます! リオ、合わせて! ゴライアス!」
「リョーカイ! ハアアアッ! 紅蓮拳!!」
コロナからは巨人のロケットパンチ、リオからは炎熱砲撃。
このままではルーテシア共々撃墜コース一直線と直感した悠莉。
「(……あんまり燃費よくない上に未完成だから使いたくなかったけど仕方ない!)ルー! 二つまとめて対処するからブーストお願い!」
「何をする気かはわからないけどわかった!」
ルーテシアは瞬時にブーストをかけると、悠莉は紫色の魔力に包まれた。
「OSS起動!」
悠莉が高らかに宣言する。
五つの球体が現れ悠莉を中心に旋回する。
悠莉が起動したOSS、正式にはOrrery's Solar System。
モチーフは太陽系儀であり、完成形ならば六つのビットのはずなのだが、未完成なので仕方ない。
「ユー、それはいったい……」
「簡単に言うと発動する魔法をビットの数分増やすやつ。攻撃力を上げることを念頭に開発したオリジナルで未完成な切り札」
答えながら魔力を集束する。
「だけど未完成とはいえその性能は十分! プリンシパル・スター!!」
短時間の魔力集束のためにルーテシアによるブーストがあっても普段の五割も満たない出力の砲撃がそれぞれの方向に五つ放たれる。
悠莉が直接放つものと球体一つから放出される計二本のプリンシパル・スターとリオの炎熱砲撃がぶつかり合う。
「ぐぅぅぅっ!」
砲撃による力比べが始まり、リオが歯を食いしばる声をあげる。
威力は互角のようで拮抗しているように見えるが、蒼が炎を飲み込み始め、徐々に圧されている。
「飲み込めええええええ!
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