第7話
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の全てをかなぐり捨てでも、誰かに生きてて欲しい。 それを安易に全否定するのは、余りにも酷なのではないだろうか。
冷たく、乾ききった沈黙。
それは、突如砕かれる。
「・・・・・!!」
何かが来る。そう思い短剣を生み出した直後。不意に、身体だけはおろか、指先すらも動かなくなる。アナザージオウの力ですら封じれる程の時間停止なんて聞いたことがない。
ヒロキと呼ばれた青年も、ジュンイチロウも、レジスタンスの皆ですら、時止めには抗えず、その時間が止まる。
「(この、タイミングで、時止めかよ・・・・・!」
僅かに言葉だけは呟けるが、それだけ。そんな中で、紫を主体とした特異な服に身を包んだ大男がほくそ笑みながら現れる。
「・・・・・気絶してるだけか。 残念だが、生きてる限り闘いは終わらん」
「('スウォルツ'・・・・・!? 何で、アイツが)」
スウォルツは倒れ伏したナオヤの身体に己の右手を突っ込み、アナザーエグゼイドウォッチを取り出す。 同時に、狂化も薄れたのか。ナオヤは激しく息を荒らげながら、拒絶を示す。
「ハァ・・・・・ハァ・・・・・嫌、だ!・・・・・俺は、帰らなくちゃ、行けないんだ・・・・・!!」
「お前の意見は求めん」
そんな彼の必死の叫びを、スウォルツは無慈悲にも踏み躙る。スウォルツは再度ウォッチを起動するや、彼の心臓目掛けて再び体内へと突っ込む。
「ぐぅ・・・・・あああぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!」
ナオヤは止めろと、激しく辺りを手を振り払う。しかしアナザーライドウォッチの力に、ジリジリと、着実に呑み込まれていく。
《EXーAID・・・・・!!》
アナザーエグゼイドに変身した事を見届けるや、スウォルツはその場からノイズを放ち消え去る。 時を止めた張本人が消えたことによって、再び時間が動き出した。
『???ッッ!!!』
「あぐぁっ!!?」
アナザーエグゼイドへとなったナオヤは、先程まで必死に彼を庇い続けたヒロキの腹部を薙ぎ払う。 彼には目をくれず、アナザーエグゼイドはそのまま、混乱していた場を脱出するかのように、ゲームのノイズを放ちながら消えていく
『ま、待てっ!!』
逃がすまいと、アナザージオウはすかさず作り出した短剣を、サトシとゲンが銃で発砲する。
だが、コンマ数秒遅く、弾丸と短剣が虚しく空を通り過ぎた。
「ナオヤ・・・・・ナオヤァァァァっ!!!!!!!!」
傷を負った腹部を抱え、彼が居た場所にフラフラと駆け寄る。だが、もうそこに彼の姿はない。やり切れぬ思いをどうすればいいか分からずに、友の名を叫ぶヒロキ。 そんな彼を、俺はただ見つめることしか出来なかった。
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