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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
戦姫絶唱シンフォギアG
第1楽章〜黒の装者達〜
第3節「ガングニールの乙女」
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毅然とした言葉に、会場は静まり返る。
逃げ出そうと躍起になっていた人々も、その足を止めて振り返り、マリアを見ていた。

ff

「──了解です。装者二名、伴装者二名と共に状況介入まで40分を予定。事態の収拾に当たります」

岩国基地からのヘリの中、友里は本部からの通信を受け、装者達に詳細を伝える。

「聞いての通りよ。疲労を抜かずの三連戦になるけど、お願い」

響、翔、クリス、純は頷くと、会場からの中継映像を映し出すタブレットを見つめた。

「またしても操られたノイズ……」
「詳細はまだ分からないわ……。でも、間違いないのは──」
「姉さん達の所に今、ウェルの野郎もいるという事だ」

翔が忌々しげに歯噛みする。
また、姉のライブをノイズが襲った。その事実が、翔にとっては我慢ならないのだ。

「ごめん……僕があの時、ウェル博士を取り逃がさなければ……」
「純のせいじゃないさ……」
「けど、博士に逃げられたのは──」
「ジュンくん」

自分を責める純の言葉を、クリスは有無を言わさず遮った。

「誰だって、たまには失敗する。あたしだってそうだし、ジュンくんだってそうだ。だから、気にすんな。次にあいつに会った時、今度は捕まえてやろうぜ!」
「クリスちゃん……ありがとう」

クリスの言葉に、いつもの笑顔を取り戻す純。

面と向かって向けられた笑顔と感謝に、クリスは頬を赤く染めると顔を背ける。

「おっ、王子様を支えるのも……あたしの役目……だろ……?」

純は微笑むと、ただ静かにクリスの頭を撫でるのだった。

「クリスちゃん、純くんにだけは素直だよね」
「言ってやるな。そっとしといてやろう」

緊急時ではあるが、想い合う二人の邪魔になるまいと、その場の誰もが空気を読んだという。

ff

翼は衣装の襟を外して投げ捨てる。
その下には天羽々斬のギアペンダントが光る。

「怖い子ね。この状況にあっても、私に飛びかかる機を窺っているなんて」

しかし、マリアは動じない。
不敵な笑みを浮かべたまま、自分を睨みつける翼の視線を受け続けている。

「でも逸らないの。オーディエンス達がノイズからの攻撃を防げると思って?」
「くっ……」
「それに──ライブの模様は世界中に中継されているのよ? 日本政府はシンフォギアについての概要を公開しても、その装者については秘匿したままじゃなかったかしら? ねぇ、風鳴翼さん?」

しかし翼もまた、マリアの方を毅然と睨んだまま、怯まずに返答する。

「甘く見ないでもらいたい。そうとでも言えば、私が鞘走る事を躊躇うとでも思ったか!」
「フッ……あなたのそういう所、嫌いじゃないわ。あなたのように、誰もが誰かを守る為に戦えたら、世界はもう
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