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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
戦姫絶唱シンフォギアG
第1楽章〜黒の装者達〜
第3節「ガングニールの乙女」
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光と炎に彩られたステージ。最新鋭の技術を盛り込んだ、迫力の演出の数々。
まさしくこの『不死鳥のフランメ』を最大限に盛り上げる為のものだろう。

「「歌えPhoenix song〜♪」」

ラスサビが終わる瞬間、二人の歌姫はスクリーンに現れた不死鳥をバックに、それぞれの袖や裾をバサッと広げた。

響き渡る歌と不死鳥の鳴き声、舞い散る炎の羽根吹雪。
会場は興奮の渦に包まれ、観客達は拍手喝采。

VIP席の未来達も大興奮でペンライトを振り回していた。

「ありがとう皆ッ!私は──いつも皆から、沢山の勇気を分けてもらっているッ!」

翼からの言葉に、観客達が歓声を上げる。

「だから今日は──私の歌を聴いてくれる人達に、少しでも勇気を分けてあげられたらと思っているッ!」

更なる盛り上がりを見せる会場。
続けてマリアも、衣装の裾をはためかせながら、観客達へと言葉を投げた。

「私の歌を全部、世界中にくれてあげるッ!振り返らない、全力疾走だ。付いて来れる奴だけ付いて来いッ!」

会場内のみならず、カメラを通してこのライブを観ている世界中の人々もまた、二人の言葉に胸を躍らせ、拍手をやめなかった。

中には感動のあまり涙を流し、語彙力を失いながら合掌し始めたファンさえいたそうだ。

「今日のライブに参加出来たことを感謝している。そして──この大舞台に日本のトップアーティスト、風鳴翼とユニットを組み、唄えた事をッ!」
「私も、素晴らしいアーティストに巡り会えた事を光栄に思う」

マリアに歩み寄り、翼はその手を差し伸べる。

それを見たマリアは不敵に笑い、翼の手を取ると握手を交わした。

日本と米国、二国を代表する歌姫同士の握手に、会場の興奮は絶頂へと達していた。

「私達が伝えていかなきゃね、歌には力があるって事を──」
「それは、世界を変えていける力だ」

するとマリアは翼に背を向け、ステージの下手側へと歩いて行く。



「そして、もうひとつ──」

前髪で目元が隠れたマリアの口元に、怪しい笑みが浮かぶ。

翼が疑問を抱くその瞬間、マリアが再び衣装の裾をはためかせた。

その瞬間、ステージの前に黄緑色の光の柱が幾つも上がる。

現れたのは──何体もの人型ノイズだった。

「きゃあああああああッ!」
「ノイズだ!」
「逃げろぉぉぉ!」

「なっ!?」

絶頂の興奮は一瞬にして、ドン底の恐怖へとすり替わった。

悲鳴に包まれるステージの上で、翼は瞠目する。

観客達はパニックに陥り、我先にとノイズから逃げ出そうとする。

二年前の惨劇が繰り返されるかと思われた、その時だった。



「狼狽えるな……──狼狽えるなッ!」

マリアの
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