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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
戦姫絶唱シンフォギアG
第1楽章〜黒の装者達〜
第3節「ガングニールの乙女」
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ちそろそろ静かにしろ!次の曲が始まるだろう!」

流星の発言に困惑する創世とツッコミを入れる紅介。
猫耳という言葉に反応してハッスルする弓美と、暴走し始めた面々を慌てて止めようとする飛鳥。

賑やかな面々がはしゃぐ中、未来は腕時計を見ていた。

時刻は既に5時半を過ぎてしまった。
待ち人はついぞ、約束の時間に間に合わなかったらしい。

「まだ、ビッキーから連絡来ないの?メインイベントが始まっちゃうよ?」
「うん……」
「折角風鳴さんが招待してくれたのに、今夜限りの特別ユニットを見逃すなんて……」
「期待を裏切らないわね、あの子ったら」

心配の色を浮かべ俯く未来の肩に、恭一郎が優しく手を置く。

「翔も純も、雪音先輩だって付いてるんだから心配ないよ、きっと」
「うん……」
「ほら、立花さん達の分まで楽しまないと!きっと立花さんも、小日向さんが笑ってくれてる方が喜ぶはずだし……ね?」
「ありがと、加賀美くん」

自分を思って声を掛けてくれる恭一郎。
その優しさに、未来は少しだけ微笑んでみせた。



ちょうどそこで、会場のライトが一瞬暗くなる。

それを合図に、客席は次々に青と白のペンライトの色で染まっていく。

大型モニターの画面が『Maria×Tsubasa』へと切り替わり、上昇していくステージの上に立つ二人の歌姫が観客達の前に姿を現した。

「見せてもらうわよ、戦場に冴える抜き身のあなたをッ!」

マリアの衣装は先程の黒を基調とした、肩や臍が露出したドレスから一転。
白を基調とした、西洋騎士風のものへと変わっていた。

一方、翼の衣装は黒と暖色を組み合わせた振袖風の衣装であり、左腕の袖は振る度に羽根のように広がる。

そして、二人のマイクはレイピアのようなスタンドになっており、まるで歌姫達は戦場で剣を交えるかの様に舞い踊っていた。

欠片が土星のように輪を描く、欠けた月の下で。

『3、2、1!Ready go!』

二羽の不死鳥が舞い上がる。

「誰にも」
「負けない」
「「不死なるメロディー 輝けTrue heart〜♪」」

立体映像により投影された炎が、歌姫達の掌で踊り。

マイクスタンドを振るのに合わせ、火の粉が舞う。

観客達は歌詞に合わせたコールと共に、歌姫達へとエールを送る。

「「灯せ……イグニッション!」」

そして、二本のマイクスタンドがステージを突くと、客席の真ん中に伸びる花道の両側から炎が噴き上がった。

歌姫達は花道を駆け抜け、走る彼女達に続くように炎は上がり続ける。

遂にはステージの床に設置されたスクリーンにも、燃え広がる炎が映し出され、歌姫達は炎の中で凛々しく、美しく歌い続ける姿を演出する。

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