第百四十七話 捕虜と外交その七
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「諸都市群を湖から攻めることも出来る」
「そうだな、あとな」
久志は正の言葉を受けてこんなことを言った。
「俺思うけれどな」
「どうした」
「諸都市群は都市国家の集合体だよな」
「実質はばらばらだ」
「都市国家でまさに国家だよな」
「文字通りのな」
都市国家のそれに相応しくというのだ。
「そうなっている」
「それで各都市国家で戦うこともしてるな」
「今もな」
「そうだよな」
「アテナやスパルタ、テーベ、そうした国家達がな」
「時々手を結んだりしてな」
「争ったりもしている」
正は都市国家群のその状況も話した。
「外に目を向けることは少ない」
「あの中で争っていて、だよな」
「そこで自己完結している」
「そうだよな、それならな」
久志はさらに言った。
「色々付け入るところがあるな」
「そうして併合していくな」
「ああ、各国家で争っているなら」
それならというのだ。
「そこに付け込んでな」
「勢力を拡大していくな」
「あとな」
久志はさらに話した。
「湖から攻めて俺達の本拠地半島からもな」
「長靴の形をした、ね」
今度は双葉が言ってきた。
「あそこからよね」
「ああ、チロリやトリエステからな」
「入っていくわね」
「ザグレブとかベオグラードとかもな」
そうした街もというのだ。
「手に入れていってな」
「そこからも諸都市群を攻めていくのね」
「ドナウ川流域まで進んで」
そしてというのだ。
「黒湖まで達してな」
「それで北からも諸都市群を攻めていくのね」
「特にな」
久志は双葉に強い声で話した。
「ビザンチウムな」
「あの街をなのね」
「手に入れていくな、アナトリアの方もな」
そこもというのだ。
「手に入れていくな」
「そうしていくのが次の戦ね」
「ドナウ川から北は騎士団領土だよな」
「そうよ、騎士団領の領土はかなり広くてね」
「アルプスから北からな」
「ドナウ川から北はね、東の王国もあるけれど」
「その他の領地はな」
「騎士団領よ」
そうなっているというのだ。
「かなりの広さよ」
「そうだよな」
「けれど今は騎士団領とは戦わないわね」
「ドナウ川南岸は手に入れていきたいけれどな」
それでもというのだ。
「あくまでな」
「次の敵は諸都市群ね」
「地中湖沿岸部を完全に掌握したいけれどな」
「騎士団領は後ね」
「ああ、戦うにしてもまだ先だよ」
「では向こうが仕掛けてきたらどうするのかしら」
「アルプス山脈やドナウ川を使ってだよ」
そしてとだ、久志は双葉に地形から話した。
「守っていくさ」
「こちらから攻めないで」
「ああ、そしてな」
そのうえでというのだ。
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