第一章
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慣れていけばいい
田村太郎はその話を聞いて話してくれた妻の芳恵に言った。
「それは許せないよな」
「そうよね」
「あの人前から問題ばかり起こしてるしね」
「ご近所に怒鳴り散らしたりして」
「うん、何度も通報されてるし」
太郎は正方形に近いその顔を顰めさせて言った、眉は小さく目もやはり小さいが鋭い、黒髪を短く刈っていて全体的にこって牛の様な感じだ、背は一七五程である。その彼に話す芳恵は一六二程の背で肉感的な身体をしている、目は穏やかで眉は細く長めで紅の唇があだっぽい。黒髪を後ろで束ねている。
「それでゴミもね」
「もう適当に捨てていて」
「酒乱でも有名だし」
「何度も居酒屋で暴れて」
「出禁になったお店もあるしね」
「スーパーでもよね」
「うん、もう喚いてクレームいつもつけるから」
そうしたことをするからだというのだ。
「近所のスーパーからも出入り禁止になったしコンビニでもね」
「本当に迷惑な人ね」
「何でもヤクザ屋さんらしいけれど」
「それも下っ端ね」
「間違いないよ、じゃあ通報しようか」
「私達もね」
「犬を虐待してるとか」
そのことはというのだ。
「若し本当ならね」
「許せないから」
「そうしよう」
「ここはね」
夫婦で話してだ、そしてだった。
二人は実際に警察に彼、大渓直寿が犬を虐待していると警察に通報した。すると警察はすぐに動いて。
大渓の家に行った、すると彼は丁度覚醒剤を打っているところで現行犯逮捕された。彼は普段の素行の悪さに加えて覚醒剤も常用していての凶暴さだったのだ。
覚醒剤からこれまでの数多くの暴行や傷害事件が立証され大渓は刑務所に送られた、小柄で目つきの悪い丸い蛸の様な男は刑務所ではいじめ抜かれて廃人になって出所したがそれはまた別の話である。
大渓が飼っていた茶色のダッグスフントはどうなるのか、警察は通報した田村夫妻に話した。
「まだ決まっていないです」
「その犬がどうなるか」
「はい、そのことは」
全くというのだ。
「決まっていません」
「ならです」
太郎は警官に答えた。
「うちで引き取ります」
「そうされますか」
「このまま引き取り手がいないと保健所にもですね」
「送られかねません」
警官もこのことを否定しなかった。
「現実として」
「ならです」
太郎は警官にさらに話した。
「僕達がです」
「引き取られてですか」
「そうしてです」
「育ててくれますか」
「はい」
こう警官に答えた。
「そうさせて頂きます」
「そうですか」
「はい、それでは」
太郎は警官に犬と合わせてくれと頼んだ、するとだった。
その茶色のダッグスフントは毛並みが悪く
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