暁 〜小説投稿サイト〜
『零点の生き方』
『祈り』

[2]次話


回避しようとするのに、頭の芯迄窮屈になったんじゃ何も考えらんない。

誰も何も詮索しないでって言ってんのに放っといてくんない。
それなのに知ったとしても誰も何もしてくんない。

だから言葉なんて無意味だって言ってんのに、裏切りに遭うだけ。

せっかく瘡蓋になりかけたとこが、みっともなく剥がれて血が垂れる。

そのうち瘡蓋にもならなくなって生傷まみれになった。
深い切り傷が拡がって、穴になって開いたまんま永遠に塞がらなくなった。

退屈だと思えるくらい、何も考えることなく暇な時間を過ごしてみたい。
平和だと思えるくらい、何事もない日常を過ごしてみたい。

そんな祈りを密かに抱いてた日は、遥か昔に在った筈だ。
ほんの一瞬だったけど、確かに祈った筈だ、心の底から...



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