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映写機の回らない日 北浦結衣VS新型ウイルス感染症
第3話 『病は気から 病院へ行こう2』
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倍も美味しいですし」
「そう言ってもらえてうれしいわ。献立担当の人が『孤独のグルメ』好きで、栄養価とは別軸に美味しさそのものの患者さんへの影響をいつも考えてるの。いまの言葉、彼女に伝えておくわね」

 気さくないい人だ。フランクに話ができるのは、それだけで落ち着ける。でも、彼女には黙っていた。私が映画館を退職する決意をしていることは。


「詳細をお伺いしたいので可能であれば当アカウントをフォローしていただきDMにてやりとりさせて頂けますでしょうか。ご検討の程よろしくお願い致します」

 退院後、私のツイッターアカウントに取材申請ツイートがあった。どこでどう知ったのだろうか。本名は載せておらず、ウイルスのことも触れていないのに。だいたい、他の人にも閲覧できるツイートを送ってくるなんて匿名の意味がないじゃないか。何を考えているんだ。私はリアルな知り合いとしかフォローし合っていないから、バレたところで被害はないにしてもだ。それに、ツイート内容も「いただき」と「頂き」が混在していたりと、とてもメディアの人間とは思えない。私はツイートを無視した。

「退院おめでと! いまからそっち行くね!」

涼子からのメッセージはたくさんの絵文字で彩られていた。


(続く)
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