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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン23 かくて語り部は神を称える
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獣の雄たけびと共に牛の頭を持つ筋骨隆々の妖怪が木槌片手に仁王立ちすると、周りの風景が彼女の領土へと侵食されていく。分厚い雲があたりを包み、地面からはコンクリートを押しのけてねじれ曲がった枯れ木が頭をもたげ、いたるところでは瘴気に誘われた霊魂が半透明の姿を見せ、骨ネズミがキーキーと不快な鳴き声と共に駆けていく。

「あーっと!糸巻選手、いきなり自らの得意とするフィールドに舞台を移しました!アンデットワールドは、戦士や魔法使い、ドラゴンお様々な顔を見せるモンスターの種族を、常に強制的にアンデット族へと書き換えるカード。これでいきなり主導権を握ろうというのでしょうか!あ、急遽やることになった実況は引き続き私、遊野清明でお送りします。いえいっ!」

 あまり場の雰囲気に似つかわしくない明るい声が、死霊ひしめく荒野に響く。しかし、それがかえって功を奏していたことは糸巻も否定できなかった。アンデットワールドの情景に明らかな怯えを見せていた観客の恐怖が、底抜けに明るい自称実況者によって多少緩和されたからだ。

「あー、そうか。そらそうだよな、ソリッドビジョン自体見慣れてないもんな。いきなりアンワは刺激が強すぎたな」
「ジェネレーションギャップですね。私たちが現役のころは、まだようやく2本の足で立てるようになった子供ですら今ので喜んでくれたものですが」
「軟弱になったのか、それとも健全になったのか……ってか?ま、アタシらの仕事は時代に逆行した化石みたいなもんさ、どっちにせよいつも通りにしかできない哀れな生き物だよ。爺さんだってその口だろう?続けるぜ、このまま牛頭鬼の効果を発動。1ターンに1度デッキからアンデット族1体、グローアップ・ブルームを墓地へ。そしてこのカードは墓地に送られたその瞬間、自身を除外することで場に死霊の仇花を咲かせる。デッキからレベル5以上のアンデットを1体サーチするが、この時アンデットワールドがあるならばそいつをそのまま特殊召喚もできる。死霊を統べる夜の王、死霊王 ドーハスーラ!」

 死霊王 ドーハスーラ 攻2800

「牛頭鬼はともかく、1ターン目からアンデットワールド下でのドーハスーラとは。本当に、手加減というものがありませんね」
「その割には随分余裕そうだな、爺さん。選択ミスったか……?カード1枚セットして、ターンエンドだ」
「はい、今の解説しましょうねー。糸巻選手の発動したアンデットワールドは、先ほど説明した通りモンスターをアンデット族に書き換えます。そしてあのドーハスーラは、アンデット族の効果の発動をトリガーとして強力な効果を発動できるまさに死霊を統べる王様と言うべきモンスター。高い攻撃力と相まって強固なこの布陣を前に『考古学者』、いったいどのような戦術を魅せてくれるのでしょうか!」
「やれやれ、なんだかハードル
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