艦娘とスイーツと提督と・50
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
その内二航戦である蒼龍・飛龍と、五航戦である翔鶴・瑞鶴は既に改二になっている。残るは赤城と加賀の一航戦だったのだが、この2人は錬度も技量も段違いに高く、第二改装は要らないのでは?という意見すらあった。しかし、激化かつ強力になっていく深海棲艦の攻勢を鑑みて、戦力増強の必要アリと赤城の改装が決まったらしい。
「まずは有力な鎮守府に改装をさせて、データを蓄積してから全鎮守府に改装設計図を回す腹積もりなんだろうよ。中央は」
「そうなんですか、それで……」
加賀は淡々としている様で内心焦っているのだろう。周りがどんどん強くなっていく中で、自分だけが取り残されていく様な感覚に。
「まぁ、加賀の奴の取り越し苦労なんだがな」
何と言われようが、ウチの空母のエースは加賀だ。寧ろ、改装してジェット機の運用すら可能になった翔鶴・瑞鶴を相手取って互角以上に渡り合えている時点で化け物じみていると言っても過言じゃねぇ。
「そうですね……あ、心配事が無くなったらお腹空いてしちゃいました。提督、コンポートのお代わり貰えますか?」
「おぅ。なんならアイスも付けてやろう」
ジャムに比べて使われる砂糖の量の少ないコンポートは、フルーツの味わいがジャムよりも残っている上に甘味もしつこくなく、ヨーグルトやアイスクリーム、スポンジケーキやレアチーズケーキ等にフルーツソースの代わりに添えられる事もある。
「良いですねぇ、お願いします♪」
「了解」
アイスクリームをディッシャーで掬い、器に盛り付けたらそこに洋梨のコンポートを添える。仕上げにミントの葉を飾れば、その辺のレストランのデザートの一品としても遜色の無い一皿が出来上がる。
「はいよ」
「ありがとうございます。ん〜♪蕩けてしまいそうです」
「喜んでもらえて何よりだ」
「提督、あーん♪」
翔鶴がアイスとコンポートをスプーンに載せて、こちらに差し出している。
「……翔鶴、何してんだ?」
「あ〜ん♪」
答える気は無いらしい。
「あ〜ん!」
翔鶴はプクッと頬を膨らませ、スプーンをグイグイと口元に押し付けてくる。
「わ、わかった。わかったから……あーん」
「美味しいですか?」
「どっちも俺の手製なんだが」
勿論、味は最高だ。
「む〜……そういう事じゃないのに」
普段大人っぽい翔鶴だが、たまにこうして甘えてくるんだよな。それがまた可愛いんだが。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ