第二百XX+3話
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ガキィン? という何か硬い物同士が高速でぶつかり合った音とがし、箒の目の前で花火が散った。
「ぬおぉぁ!?」
箒は咄嗟に顔の前で腕をクロスさせた。
「生きてる?」
「ああ、大丈夫だ。すごく驚いたがな」
隣に居た一夏の問いには答え、箒がクロスガードを解く。
上にしていた右手の袖を何度か振ると何かが出てくる。
出てきた金属の塊を一夏に投げた。
ライフル弾だ。
干渉装甲と気功を纏った肌によってひしゃげた弾丸。
一夏はその弾丸の情報を遡及し、遠くのビルを睨み付けた。
「箒先帰ってて。スナイパーとスポッター殺してくる」
一夏が箒に鞄を投げる。
「夕飯は?」
「なるべく早く帰るよ」
一時間後。
ポイ、と一夏が人間牧場に何かを放り込んだ。
「いぎっ…!」
「可愛い声してんじゃねぇか」
その投げた物は黒い布で覆われた、人らしきもの。
苦悶を浮かべる容姿はそれなりで、彫りの深い顔から恐らくは欧米人。
黒い布…ライダースーツに包まれたスレンダーなボディ。
ただし、問題があった。
四肢があらぬ方向へ折れ曲がっている。
「さて。君は何処の誰だい?」
そう問いかける一夏の服装は暗い朱。
所々に白い模様がアクセントのように散りばめられている。
「ま、言わなくても知ってるんだけどね。君の相棒から聞いたし」
一夏が女の折れた足を踏みつけた。
「いぎゃぁっ!?」
「君の相棒。いい腕と眼を『していた』ね」
「ぁ………アリー………」
「うん? 残念ながらアリーちゃんはもういないよ?」
一夏が一着の服を女に見せつける。
どこにでも売っていそうな、レディースのジャケット。
「君がアリーと音信不通になっていた一時間で何があったと思う?」
真っ赤に染まった、ジャケット。
そしてひしゃげた狙撃銃。
「いやぁ、彼女の悲鳴は素晴らしかった。四肢を一本ずつもいで見せつけながら食べた時の反応ときたらもうたまらなかった!」
ジャケットを女の上に落とす。
「絶望に染まった人間の顔というのはどうしてこう魅力的なのだろうね」
「そう。例えば今の君のように」
「この化け物め!」
「ん? そうだよ? 君たちはその化け物の宝物に手を出したんだ。どうなるかはわかるね?」
一夏がジェットインジェクターを量子展開した。
「さて、じゃぁ君も食べようかな」
女の腹に座り、首に突きつける。
「これ、お手製のヤバい薬だよ」
パシュッ! という音と共に女の体に薬物が流れ込む。
「痛みでショック死されると興醒めだから
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