第五十五話 ドゥカーバンクの戦い・後編その2
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他のウォーター・ビットも、次々と凍りつき地面へと落ちていった。
吹き荒れる吹雪は、マクシミリアンの頭を除き、完全に凍結させる。
「ゴーレム達、オレを乗せて何処か退避を……!」
だが、人馬ゴーレム達は、各関節が完全に凍りつき身動きが取れなくなった所を、生き残りの氷の蟹の鋏が次々と砕いていき、遂にマクシミリアンのみが残されてしまった。
ワラワラと氷の蟹達が、凍結したマクシミリアンを取り囲んだ。
「ぐぅぅぅ、死んで、死んでたまるかぁぁぁーーーーっ!」
マクシミリアンの両眼が光った。
またも、最大出力の破壊光線を、地平線の先に向かって放った。
囲んでいた蟹の群れは瞬時に吹き飛び、マイナス80度もの気温は現象を起こしていた精霊が、破壊光線によって死滅した為、この季節の平均的な気温へと戻り吹雪も止んだ。
精霊が死滅した為、『王』の声は聞こえない。だが、悲鳴を上げているのは想像できた。
「オオォォッ!」
マクシミリアンを捕らえていた氷はバリバリと崩れた。
「このチャンスは逃さない!」
マクシミリアンは杖を天高く掲げ、そして唱えた。
『ギロチン!』
杖から発生した光の柱が、雲を貫き天高くそびえ立った。
「島ごとぶった切る!」
マクシミリアンは『ギロチン』を氷の大地目掛けて振り下ろした。
振り下ろされた光の柱は、氷の大地を到達し、ビキビキと亀裂が入る。
「うおおおおおおっ!」
吼えるマクシミリアンに呼応するように、更に太く長くなった『ギロチン』は大地を砕き、やがて両断した。
大量の氷と海水とが混ざり合い、巨大な渦を作り出す。『王』はその渦の中心に居た。
「ベルギカ号、今だ!」
マクシミリアンは、即席で作った狼煙魔法を、上空のベルギカ号へ向けて放った。
ドン!
狼煙魔法はベルギカ号の近くで炸裂し、予め打ち合わせをしていたベルギカ号はロケット砲一斉射の為に、再び傾斜を始めた。
『撃てーっ!』
ド・ローテルの声が、拡声の魔法で周辺に流れた。
24連装ロケットポッドからロケット弾が全弾発射され、渦の中心でノビている『王』に殺到した。
ズドドドドドドドドドーン!
24発のロケット弾が、200メイルの『王』の巨体に次々と炸裂した。
ベルギカ号からは歓声が上がり、大量の爆煙『王』の巨体を隠す。
風が吹き爆煙が散ると、『王』の血塗れの巨体が海へと沈む姿が見えた。
上空のベルギカ号は裏腹に、マクシミリアンは苦い顔をした。
(あの海獣を死なせたら、復讐に燃える他の海獣どもと骨肉の争いを繰り広げる事になる。何とか説得できないものか……)
マクシミリアンは、エア・ジェッ
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