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水の国の王は転生者
第五十五話 ドゥカーバンクの戦い・後編その2
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が蘇るか!」

 言葉のドッヂボールは終わり、『王』とマクシミリアンの戦いの幕が切って落とされた。

 ……

 氷の大地から、氷の蟹がワラワラと現れた。その数、およそ一千。

「懲りもせず、また氷の蟹か!」

 マクシミリアンが杖を振るい、左手でピストルを作った。
 マクシミリアン版ウォーター・ショット、『ウォーター・キャノン』だ。

 ズドンと、空気が破裂し強烈な水流が、氷の蟹ごと氷の大地に打ち込まれ、氷の蟹が数百個粉々になり、後には巨大なクレーターが出来ただけだった。

「チッ、こんなのは不毛だ」

 マクシミリアンは、自分の不利は最初から分かっていた。
 『王』は、数リーグもの巨大な氷の大地の何処かに身を潜めているのだから。氷の蟹をいくら倒しても、マクシミリアンが有利になることは無かった。

 精霊の力で次々と生産される氷の蟹は、人海戦術でマクシミリアンに迫る。

「ウォーター・ビット!」

 マクシミリアンは、24基のビットを作り出した。

「迎撃!」

 ビット達はそれぞれウォーター・ショットを発射、蟹を水圧で粉砕、切断してゆく。

「人海戦術には人海戦術! 来い、人馬ゴーレム!」

 マクシミリアンは、杖を振るい『クリエイト・ゴーレム』を唱えると、氷の人馬ゴーレムを300騎作り出した。

「水だけは、いくらでも有るからな」

 6メイルの大型ランスを構えた人馬ゴーレム達は、スパイク付きの馬蹄で氷の地面をガリガリと削り足場を確かめた。

「チャァーーーーージッ!」

 300騎の人馬ゴーレムが、氷の大地を踏み砕き蟹の群れへと突進した。

「……」

 物言わぬ騎兵達は、6メイルの大型ランスで氷の蟹を突き砕き、馬蹄で踏み砕いた。蹂躙(じゅうりん)と言っていい。

「いいぞ、人馬ゴーレム! ウォーター・ボール達は海獣の本体を探せ!」

 ビット達は、氷の中に隠れた『王』を探す為、四方へと飛んでいった。

 その間にも人馬ゴーレムのランスチャージは氷の蟹を蹂躙し続け、その数を四分の一にまで減らした。

「……ん、これは?」

 マクシミリアンは、辺りがダイヤモンドダストに似た現象が起こって事に気付いた。
 それはダイヤモンドダストの原因は、粉砕された氷の蟹の破片で、周辺を漂い、気温を更に下げた。
 キラキラした氷の結晶が、マクシミリアンの手足に張り付き凍傷を起こさせ、徐々に強くなる吹雪が手足を凍りつかせる。
 『王』が反撃を開始した。

「これは、まずい……!」

 凍りついた手を暖める為、抱きかかえる様に姿勢を変えると、凍結が更に広がり身動きが取れなくなった。
 次に、ゴトリとビットの1基が凍りつき氷の大地に落ちた。偵察に行った
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