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水の国の王は転生者
第五十五話 ドゥカーバンクの戦い・後編その2
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は、アニエスの手を引いて人気の無い所へ連れて行った






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 人気の無い所に着いたマクシミリアンは開口一番に……

「僕の目を舐めてくれ」

 と、言った。

「は……はああぁぁぁぁ!? アンタ、何言ってんの!?」

 アニエスは、思わず素が出た。

「……」

「あ……も、申し訳ございません!」

 シュンとなるアニエス。だが、マクシミリアンは気にしなかった。

「年頃の女の子に、こんな事をさせるのを僕も申し訳なく思っている。けど、時間が無いんだ、頼むアニエス」

「どうしてそんな事を」

「詳しい事は言えないけど。この状況を打開する為には必要な事なんだ」

 精霊魔法を使う海獣に対抗するには、『目から破壊光線』の力が必要だとマクシミリアンは思った。

(アニエスを救う為に、海獣の背中から飛び出した時は気付かなかったが、あの時、破壊光線に当たっていない蟹もどういう訳か消滅した。ひょっとしたら破壊光線は先住魔法に効果があるのかも……)

 まだ仮説の段階だったが、マクシミリアンは試してみるつもりだった。
 破壊光線照射から10分は、とうに過ぎていたが最大出力での照射だった為、保険の為に女性に眼球を舐めてもらう事にした。

「……うう」

「頼むよ」

 悩むアニエスに、マクシミリアンは懇願した。

「……分かりました。危ない所を助けていただいた恩もあります」

「ありがとう、アニエス」

「っと、よろしいでしょうか?」

「ん、いいよ」

 アニエスは、マクシミリアンに顔を近づけた。
 目と目が合い、アニエスの血圧が急激に上昇し、恥ずかしさの余り目じりに薄っすらと涙が溜まる。

「行きます!」

「大声を掛けなくても聞こえているよ」

「分かっています! 気合を入れただけです!」

 アニエスは、ガシッとマクシミリアンの頭を抑え、ピンク色の舌を震わせて目に近づけた。

「ンンッ」

 ペロッ

 アニエスの舌がマクシミリアンの右目を優しく撫でた。

「おおえふか(どうですか)?」

「もうちょっと、舌で眼球をマッサージする様に」

「ふぁい」

 アニエスは言われたとおりにマッサージする様にマクシミリアンの眼球を舐めた。
 この時、マクシミリアンは目を踏むってアニエスに身を委ねていた。

(……可愛い)

 アニエスは今、羞恥心の余り顔を真っ赤にしながらも献身的に奉仕している姿が、目で見なくても分かった。それがマクシミリアンには愛おしく思えた。

 時間は2分ほどだった。

「……あの
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