第五十五話 ドゥカーバンクの戦い・後編その2
[4/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
は、アニエスの手を引いて人気の無い所へ連れて行った
☆ ☆ ☆
人気の無い所に着いたマクシミリアンは開口一番に……
「僕の目を舐めてくれ」
と、言った。
「は……はああぁぁぁぁ!? アンタ、何言ってんの!?」
アニエスは、思わず素が出た。
「……」
「あ……も、申し訳ございません!」
シュンとなるアニエス。だが、マクシミリアンは気にしなかった。
「年頃の女の子に、こんな事をさせるのを僕も申し訳なく思っている。けど、時間が無いんだ、頼むアニエス」
「どうしてそんな事を」
「詳しい事は言えないけど。この状況を打開する為には必要な事なんだ」
精霊魔法を使う海獣に対抗するには、『目から破壊光線』の力が必要だとマクシミリアンは思った。
(アニエスを救う為に、海獣の背中から飛び出した時は気付かなかったが、あの時、破壊光線に当たっていない蟹もどういう訳か消滅した。ひょっとしたら破壊光線は先住魔法に効果があるのかも……)
まだ仮説の段階だったが、マクシミリアンは試してみるつもりだった。
破壊光線照射から10分は、とうに過ぎていたが最大出力での照射だった為、保険の為に女性に眼球を舐めてもらう事にした。
「……うう」
「頼むよ」
悩むアニエスに、マクシミリアンは懇願した。
「……分かりました。危ない所を助けていただいた恩もあります」
「ありがとう、アニエス」
「っと、よろしいでしょうか?」
「ん、いいよ」
アニエスは、マクシミリアンに顔を近づけた。
目と目が合い、アニエスの血圧が急激に上昇し、恥ずかしさの余り目じりに薄っすらと涙が溜まる。
「行きます!」
「大声を掛けなくても聞こえているよ」
「分かっています! 気合を入れただけです!」
アニエスは、ガシッとマクシミリアンの頭を抑え、ピンク色の舌を震わせて目に近づけた。
「ンンッ」
ペロッ
アニエスの舌がマクシミリアンの右目を優しく撫でた。
「おおえふか(どうですか)?」
「もうちょっと、舌で眼球をマッサージする様に」
「ふぁい」
アニエスは言われたとおりにマッサージする様にマクシミリアンの眼球を舐めた。
この時、マクシミリアンは目を踏むってアニエスに身を委ねていた。
(……可愛い)
アニエスは今、羞恥心の余り顔を真っ赤にしながらも献身的に奉仕している姿が、目で見なくても分かった。それがマクシミリアンには愛おしく思えた。
時間は2分ほどだった。
「……あの
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ