44 教会のピアノ
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三河口は叔母に車で静岡駅まで送られた。
「それじゃ、行ってまいります」
「ありにも宜しくね」
「はい」
三河口は叔母と別れ、新幹線の東京方面のホームに向かった。そして東京行きの新幹線に乗車した。
(札幌か・・・。遠いよな・・・)
本来ならば、飛行機の方が速いのだが、休み期間という事もあり、運賃が安めの列車と船で行くことにした。三河口は新幹線に乗車中、何らかの感触を覚えた。しかし、日本赤軍や異世界の敵の時とは異なる、また別の感触だった。かよ子やさりが近くにいる時のように。その時、反対方向の新幹線とすれ違っていた事に気付いた。
(何だろう、反対側の列車に乗っていた誰かに感じたのか・・・?)
そして静岡駅。一人の少女が両親と共に新幹線から降車した。
「ここが静岡ね」
りえは静岡市内の空気を吸った。東京は少し違う。空気は東京よりは綺麗だった。
「さ、りえ、乗り換えるよ」
「うん」
りえは清水に行くために静岡と清水を往来する列車に乗り換えた。
かよ子はこの日はとし子の家でアイスクリームを御馳走になっていた。
「美味しいねえ!」
「うん、喜んでくれて嬉しいわ。ありがとう」
とし子の母は感謝した。食べ終わると話をする。
「ところで、とし子ちゃんは休みはどこか行くの?」
「う〜ん、東京のおばあちゃんちかな・・・?かよちゃんは?」
「そっか、私は今は予定ないんだよね。何かあるかな・・・?宿題するだけかな?」
かよ子は三河口が札幌へ行った事や、三河口の従姉のさりが名古屋に住んでいる事から札幌や名古屋へ行ってみたいとは思った。
「まあ、どこかへ行きたいね・・・」
かよ子は適当に誤魔化し、帰る事にした。そして、宿題の「夏休みの友」の続きをやりながら、自由研究をどうしようか考えた。
りえは清水に到着した。そして祖母に会った。
「おばあちゃん、久しぶり」
「りえ、久しぶりね」
りえはまず持ってきた学校の宿題をやった。翌日は父の知り合いの教会のシスターと会い、ピアノを借りる予定だった。
三河口は青森行きの急行列車に乗った。その列車で一晩かけて青森へ行き、そこで津軽海峡の連絡船に乗船して、また北海道内の列車に乗る。だか、三河口は新幹線の車内で起きた感触は何だったのか、気になっていた。
翌日、りえは教会のシスターと出会った。
「こんにちは」
「こんにちは。貴女が安藤りえちゃんね。お父さんから話は聞いてるわ。是非ともこのピアノを使っていいからね」
「はい、ありがとうございます」
りえは早速ピアノの椅子に座り、練習を始めた。
藤木茂。かよ子のクラスメイトで困った事があると適当に誤魔化したり、ウソを付いたり、すぐ逃げ出す為、クラスメイトから「卑怯」と呼ばれている男子である。ま
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