第78話『水着』
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ました」
「今日!?」
てっきり、莉奈を仲立ちとしてとっくに仲良くなっていたのだと思っていたのだが、実際は今日がファーストコンタクトだと言う。
「びっくりしましたよ。莉奈ちゃんが友達を紹介するって言って、連れてきたのがあの結月ちゃんだったんですから」
「『あの』?」
「知らないんですか? 結月ちゃんは学年でもとびきりに話題の人物ですよ」
「あぁ、なるほど…」
確かに結月が転入してすぐは、突飛な容姿のこともあり、校内がざわついていた気がする。それでももう収まったとばかり思っていたが、どうやら他のクラスでは未だに話題になっていたらしい。
「それに噂通り、すごく可愛いですよね。銀髪で蒼い眼なんて、まるでお人形さんみたい」
優菜は手を合わせてにっこりと微笑む。同意見だ。
ただ、その笑顔を見て、「戸部さんも十分可愛いよ」などと言える程の度胸は、晴登には持ち合わされてはいなかった。
「いやいや、戸部さんも十分可愛いって」
「ふふ、お世辞でもありがとうございます」
しかし、横から入ってきた大地にそんなことはなかった。平然とそういったことを言ってのける姿は、昔から晴登もよく目にしている。コミュ障として、友達として、学びたい部分だ。
「着替え終わったけど…」
そうこうしている内に、結月は着替えを済ませ、カーテンから首だけを覗かせて言った。その表情には若干の恥じらいが読み取れる。
「よし、じゃあカーテン開けるよ?」
「う、うん」
「ではご開帳〜」
莉奈が勢いよく、カーテンを開く。その瞬間、晴登は気づけば目を見開いていた。
目の前に現れたのは、青を基調とするフリルの付きのビキニ水着を着た結月の姿だった。露出された雪の様に白い肌が、水着の青色をより際立たせている。
「これは…さすがに恥ずかしいかな」
いつもは堂々としている結月も、これにはさすがに恥ずかしがっていた。もじもじとする様子は、何だか新鮮に感じる。というか、こっちまで恥ずかしくなってくる。
「どう…かな、ハルト?」
「え、あ…」
結月が頬を赤らめながら訊いてくる。
一方、晴登はしどろもどろになりながら目をそらした。こんなの、直視できる訳がない。…可愛すぎる。
「えっと…変、なのかな…」
「あ、いや、違う! その…凄く、似合ってるよ…」
晴登は顔を真っ赤にして、ボソボソと呟くようにそう言った。こんなこと言うのは柄じゃないというのに。
しかしこの言葉に、凹んでいた結月は一転して目を輝かせる。
「そう?! 似合ってる?! 良かった〜!」
安堵と共に浮かべられた満面の笑み。晴登は
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