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戦国異伝供書
第八十一話 朝倉合戦その四

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「だからよいな」
「はい、それでは」
「これよりですな」
「果敢に攻め」
「そのうえで」
「勝つとしよう」
 こう言ってだ、そのうえでだった。
 元親は自ら軍勢を率いて朝倉城から出た本山家の軍勢との戦に入った、そうしてその敵軍を正面からだった。
 果敢に攻める、その中で言うのだった。
「臆してはならん、槍を突き出してじゃ」
「そうしてですな」
「敵を崩す」
「そうしていきますな」
「そしてじゃ」
 そのうえでというのだ。
「弓も使え」
「前に槍兵を置き」
「その後ろにですか」
「弓兵を置き」
「槍兵の後ろから攻めさせますか」
「そうさせますか」
「敵は向かってきておるが」 
 それでもというのだ。
「それだけじゃ」
「だからですな」
「こちらは槍を前に出し」
「弓矢も使う」
「そうしてですな」
「戦いますな」
「そうする、そしてじゃ」
 そのうえでというのだ。
「戦に勝つぞ」
「わかり申した」
「槍と弓ですな」
「数を頼みに攻めて来る敵には」
「そうして戦いますな」
「槍衾をもうけ」
 そしてというのだ。
「その後ろからじゃ」
「弓矢を使う」
「矢を次々と放ち」
「そしてですな」
「敵を倒していきますな」
「そうしていくとしよう」
 こう言ってだった、元親は兵達を実際にその様に戦わせた。すると本山家の軍勢は槍に動きを妨げられ。
 さらに矢を受けた、そうして次々に倒されていった。
 その状況を見てだった、元親はこうも言った。
「よいか、前に出るが」
「それでもですな」
「槍は用いる」
「弓矢もですな」
「そうじゃ、両方じゃ」
 まさにというのだ。
「使うぞ」
「それはそのままですか」
「突っ込まぬ」
「そうされますか」
「刀を抜いて突っ込むよりもな」
 それよりもというのだ。
「こちらの方がよいであろう」
「はい、確かに」
「兵を失いませぬ」
「槍で守りその後ろから弓矢で射る」
「そうしていけば」
「だからじゃ」
 この度はというのだ。
「その様にしてじゃ」
「攻めていき」
「そしてですか」
「最後まで戦いますか」
「そうする、そして敵が退いたらな」
 その後のこともだ、元親は話した。
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