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Sword Art Online -Gun Sword-
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02
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 俺は第20層の迷宮区を抜け、大きな溜息を付いた。俺の背後には数人の人影。これだけ見れば同じパーティー同士だと見間違うかもしれない。しかし、俺の背後にいる奴は決して俺のパーティーなんかじゃない。
 それを証明するように全員で俺に向かって殺気を投げかけている。思えばこの迷宮区に入る前にも、俺の背後に居たような気がする。一応隠蔽スキルを使って隠れているつもりだろうが、俺は索敵スキルを持っているしレベル的にも上なので余裕で居場所がバレている。
 さて、どうしようか、と迷っているとき、その人影が一斉に飛び出してきた。

「へぃ兄ちゃん」
「うわぁ………」

 俺は心底可哀想な人を見るような目で、そう声をかけてきた人物を一瞥した。そんな俺の目線に耐えられなかったのか身をよじるようにしてその人物が泣き叫ぶ。

「あぁ〜もう!その視線やめてっお願いしますぅっ!」
「うるせぇな……見たところオレンジってとこか?」

 オレンジ。所謂犯罪者プレイヤーを表す言葉だ。殺人などを犯したプレイヤーはオレンジより濃い赤色に変わり、レッドと呼ばれるようになるがそこまではしていないような。どうせ今の俺のように迷宮区から出た直後のプレイヤーを襲ってアイテム類だけ奪っているのだろう。肝が小さいやつだと思う。
 自分がモンスターと対峙するのは怖いからといってせず、同じ人間なら怖くないと言って襲う。まあ間違いじゃないが、それもその人間を選んだ場合のみだ。

「なあ姉ちゃん、襲う人間は選んだほうがいいぜ?」

 視線でこれは最終忠告だと告げる。

「いや、私らはアンタを遅いに来たわけじゃないよ………勧誘に来た」
「へぇ…」

 おもしろい、といった感情が俺の中で渦をまく。一緒に犯罪を起こすことをおもしろいと思っているわけじゃない。勧誘の相手を、俺にした、というところが面白いのだ。

「10層当たりからアンタを見てきたけど、アンタが敵になると恐ろしいと感じたよ……人間、そこまで無慈悲になれるもんじゃ無いからね」
「つ〜事は、あれを見てたってわけか」

 そう言いながら、俺はその時の出来事を思い出していた。あれは第13層あたりの頃じゃないだろうか。俺が迷宮区を攻略しているとふと背後から襲いかかってくるのがわかった。それだけ至近距離にならないと俺の索敵に引っかからないあたり、相手は相当な使い手だと判断がつく。振り返り際に剣で相手の剣をいなし、相手の溝内あたりに蹴りを一発お見舞いする。相手は勢いよく吹き飛ぶと壁に激突し、滑るようにして地面に落ちた。俺は直様その相手に近づき腰に装備していたサブ武器、ナイフを抜き首筋にあてがう。

「てめぇ、何もんだ?」
「………」

 そのプレイヤーは無言を貫いていた。装備は貧相なモノばかりだ。これだけの使い手な
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