揺籃編
第十八話 休日
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8月18日17:00 テルヌーゼン市 ホテル『ガストホーフ・フォン・キンスキー』
ヤマト・ウィンチェスター
「エリカちゃん、ここ、実家なの?」
「はい!…そうですよね、お互いまだ何も知らないんですもんね」
『ガストホーフ・フォン・キンスキー』はテルヌーゼン市の中でも高級なホテルとして知られている。同盟全土から客が来る事でも有名だ。エリカちゃんって、いいとこのお嬢様だったのね…。
「そうだね、確かにお互い知らない事だらけだね。いきなり告白されて、そのまま…」
「あああ!その先は言わないで!恥ずかしい…!」
「はは、すごい行動力のある女の子、っていうのは判ってるよ」
「そ、そうですね、ハハ…」
「しかし、下世話な話、このホテル、凄くお値段が高かったような…」
「大丈夫です!実家に泊まってもらうのに、金を取る親が居るか!ってパパが言ってましたから」
「え!タダ?…何だか悪いなあ…」
「いえ、本当だったら是非ちゃんとお食事会をしないといけないのに、急だったもので…ママも、ウィンチェスター准尉に謝っておいて、って言ってました」
「いやいやそんな、充分過ぎるよ、ありがとう」
…こんな部屋泊まった事ないぞ!
最上階、ロイヤルスイート…。俺の給料手取り二ヶ月分…。この部屋、本当にタダでいいのか?
「私もこの部屋に入ったの初めてなんですよ。素敵なお部屋ですね。新婚旅行みたいです!」
「そうだね…本当にありがとうございます」
「いえいえ、本当なら両親に会わせたかったんですけど、やっぱり急だったもので、二人とも仕事でハイネセンポリスに行ってまして…。すみません」
「いや、いいよ。この先どうなるか分からないけど、改めて挨拶に来るよ」
「わあ、ありがとうございます!准尉、ゴハンにします?お風呂にします?お風呂なら露天風呂がありますよ。ゴハンならこの部屋でもレストランでもどちらでも大丈夫ですよ」
悩んでいると、入り口のドアのチャイムが鳴った。
「お前達…すげえ部屋に泊まってんなあ!羨ましすぎる…」
「オットー、マイク…なんでここに?」
「温泉行くって言っただろ?このホテルの露天風呂、天然の温泉なんだぜ。知らなかった?まあ、このホテルに泊まれるのもエリカちゃんのおかげだからなあ」
「そうそう。彼女は大事にしないとな、ヤマト」
「お前ら…」
「そうだそうだ。ハイネセンに戻って来たってのに、エリカちゃんとだってロクに連絡取ってなかったんだろ?こんないい娘、他にいないぜ?」
「そうだそうだ」
8月19日19:00 テルヌーゼン市、自由惑星同盟軍士官学校、正門前
ヤマト・ウィンチェスター
「じゃあね、エリカ。エリカも門限に遅れないように」
「はい!これからも…会えますよね??」
「当然だよ。
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