揺籃編
第十八話 休日
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馬鹿野郎だよ、俺は。
「…どうしました先輩?何か気に触る事言っちゃってたらごめんなさい」
「大丈夫、大丈夫だよ。ありがとう」
エリカは悪くない。悪いのは…俺だ。
「キャっ!?き、急にどうしたんですか先輩!みんな見てますよお」
「しばらく、こうさせといてくれない?」
「恥ずかし……はい、構いませんよ…」
女の子にはいきなりはきついコースという事で、途中にあった山小屋みたいな喫茶店で休憩したあと引き帰すことになった。下見じゃなくて、ただのハイキングだなこりゃ…。
「テルヌーゼンに戻ったら、どうするんですか?」
「メシでも食って解散じゃないか?学校戻らないといけないしさあ。エリカもそうだろ?」
「え?先輩、泊まりじゃないんですか?」
「え?え?みんな泊まる気なの?俺外泊申請してないけど。…マイク、オットー、二人とも申請してるのか?」
「あ、言うの忘れてた。俺達四人で温泉行くんだよ。お前はエリカちゃんと仲良くな。じゃあな」
「そ、そうか…」
「すみません、いきなり私着いて来ちゃったから…私、実家テルヌーゼンなんです。週末はちょくちょく帰ってて。ダグラス先輩がみんなでハイキング行くからおいで、って言ってくれて。だからてっきり先輩も泊まるものかと…」
「いや、マイクが泊まるって言い忘れたのが悪いんだ。大丈夫だよ」
困ったな、士官学校に電話してみるか…。
「はい、自由惑星同盟軍士官学校、当直室です」
「もしもし、候補生二年のウィンチェスターです」
「お、ウィンチェスターか、俺だよ俺」
「あ、アッテンボロー先輩。今日は当直ですか?」
「そうなんだ。どうした?何かあったか?」
「いえ、外見申請してなかったんですけど、急に泊まる事になりそうで…当直士官いらっしゃいますか?」
「今はメシ食いに行ってるよ…なんだ、女か?」
「まあ…そんな感じです」
「任せとけ。お前の外泊申請、代筆しといてやるよ」
「それは…公文書偽造なのでは」
「いきなり当直士官に言ったって通るわけないだろう、上手くやっとくから、気にするな。明日の二三〇〇迄にはちゃんと帰ってくるんだぞ」
「ありがとうございます!助かりました」
「礼はいい、上手くやれよ」
「はい」
「大丈夫だった。外泊オッケーになったよ」
「そうなんですか!?よかった!…あの、よかったらウチに来ませんか?」
「え??」
「あの、その、来てもらわないと困るんです!両親には彼氏連れてくるって言ってあって、その…」
「エリカちゃん」
「…はい」
「初デートでいきなり実家ってキツくない??」
「ですよね…」
「でも、せっかくだからお邪魔するよ。本当に行っても大丈夫なの?」
「はい!両親も是非連れておいで、って言ってますから!」
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