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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
戦姫絶唱シンフォギアG
第1楽章〜黒の装者達〜
第2節「争乱へのシンフォニア」
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見舞いに行った翔は、持って行ったソロモンの杖搬送任務の資料に目を通した了子から、ウェル博士の事を聞かされていたのだ。

曰く、優秀だが少々マッドな面を持つ生化学者。

曰く、スイッチが入ると止まらない、ジェットコースターみたいな男。

そして……フィーネがかつて、了子の姿で取り入っていた米国研究機関の一員だ、と。

「てめぇ、一体何モンだッ!」
「そうですねぇ……。折角ですし、改めて自己紹介させて頂きましょうか……ねッ!」

次の瞬間、ウェル博士はコートの袖から取り出した黒い筒を地面に叩きつけた。

「しまっ──」

次の瞬間、周囲が白い煙に包まれた。

「発煙筒だ!!」
「アッハハハハハハハハハハハハハハッ!引っ掛かりましたねぇ!」

ウェル博士が投げつけた、煙を噴出しながら転がる黒い筒。

煙はあっという間に、その場にいた全員の目を眩ませた。

その隙にウェル博士は、スタコラサッサと早足で装者や米軍達と距離を取る。

「構わんッ!撃てッ!」

上官からの命令に、米軍達が慌てて銃を向け直すも、既に博士の手には白衣の内側から取り出した白銀の杖が握られていた。

そう。ノイズを自在に使役する、最悪の完全聖遺物──ソロモンの杖が。

次の瞬間、ウェル博士を囲うように召喚されたノイズ達が実体化する。

そして舞台は整ったと言わんばかりに、博士は右手に杖を携え、左手の人差し指でズビシッ!と装者達の方を指さしながら、改めて自らの名を名乗り上げた。

「天が知る地が知る我が知るッ!僕こそ真実の人ぉぉぉぉぉッ!ドクター・ウェルゥゥゥゥゥッ!!」

声高らかに名乗りを終え、ウェル博士は満足気に笑った。

「そんな……わたし達を騙してたんですかッ!?」
「言ったじゃないですか。これは僕が必ず人類の役立ててみせる、ってねぇ」
「それで方便のつもりたぁ、しゃらくせぇ!」
「何のつもりでこんな……ッ!」

困惑、怒り、疑念。装者達の間に様々な感情が渦巻く。

それでもなお、ウェル博士の表情から笑みが消えることはない。

まるで、自分こそがこの場の主役であるかのように、彼は怖じる事無く語り続けた。

「目的?そうですねぇ……僕の、いえ、“僕達”の目的はただ一つですよ。まあ、今はまだ語るべき時じゃあないんですけどね」

(僕達……だと?)

ウェルの言葉に、翔は眉をひそめる。
これはウェル個人による犯行では無い、という事なのだろうか?

「さて、これで僕のお仕事は終了です。後は適当にノイズとでも戯れててください」
「ッ!逃がすかてめぇッ!」
「クリスちゃんッ!待つんだッ!」

踵を返して立ち去ろうとするウェルに、クリスが走り出す。

ウェルがソロモンの杖を一振
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