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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
戦姫絶唱シンフォギアG
第1楽章〜黒の装者達〜
第2節「争乱へのシンフォニア」
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でも、今は米軍の隊員達がいるし、友里さんにもこっそり伝えてある。チャンスは今しかないッ!)

「そのケースの中身、念の為にもう一度確認させてもらえますか?」
「……は、はい?」

一瞬だけ、ウェル博士の表情が引き攣ったような気がした。

「翔くん?」
「お前、まさか……!」
「皆も気付いてたと思うけど、列車を襲ったノイズの動きは明らかに制御されていた。この世界でノイズを自在に操る術なんて、ソロモンの杖以上の物があると思うか?」

そう言って翔は、輸送用のケースを睨んだ。

「まさか、博士を疑っているのかい!?」
「本部から杖を運ぶまでの中で、あのケースに触れたのは友里さん達二課の職員を除いて、ウェル博士……あなた一人だ。ノイズを操り、列車を襲わせた黒幕である可能性が一番高いのはあなた以外に有り得ない」
「証拠はあるのですか?」

ウェル博士は指先で眼鏡の位置を直すと、翔に問いかける。
反射したレンズと手に隠された口元で、その表情は伺う事ができない。

「あの時、俺達が聖詠を唱えた直後だ。ノイズ達が天井に刺さっていたのを、皆覚えているよな?」
「そういや……ッ!?」
「言われてみれば……」
「えっ?どういう事?」

クリスと純が納得する中、響だけが首を傾げている。

「最後尾の武装車両に乗っていた軍の人達は、全員残らず死んでいた。天井を貫通してきたノイズに貫かれて、な」
「ッ!?」
「響、あの時のノイズ達の動き方を覚えているな?」
「貫通しないで……刺さってた……」

そう説明すれば、響も全てに察しがついたらしい。

ケースを持っていた米軍が、慌ててケースの留め金を弾く。
開かれたケースの中には──






──あるべき筈の聖遺物の姿は無かった。

『ッ!?』
「くひッ!」

その場にいる全員の表情が、驚愕に染まる。

しかし、その中で唯一……ウェル博士だけが、口元を釣り上げて笑っていた。

「ウェル博士……?」
「ヒッヒッヒッヒッヒッヒ……。バレちゃいましたか」

ウェル博士の表情は一転。
その瞳には、先程までと同一人物だとは思えないほどの狂気が滲んでいた。

「動かないでッ!両手は頭の後ろにッ!ウェル博士、これは一体どういう事ですか!?」

友里がウェル博士に拳銃を向け、米軍達も銃口を彼へと向けた。

「まさかこうもあっさり、それもこんな劇的にタネを明かされてしまうとは。いつから気づいていたのか、聞かせてくれませんか?」
「昨日、ある人から聞いたんだ。ドクター・ウェルはフィーネと認識がある、ってな」
「櫻井了子ですか……。やれやれ、フィーネもとんだ置き土産を遺してくれたものですねぇ」

任務前日、入院生活中の了子の部屋へとお
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