六話 攻略組
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声を荒げる。それに対しシュウは溜め息まで吐きながら呆れたと言うようなような姿勢をつくっている。
「クリアのためというなら最前線の迷宮区の攻略にいそしんでるはずだろう、現に《血盟騎士団》は今もそうしてるはずだ、攻略組なら安全マージンは十分にとってるだろうしな。だがあんたらはこんな大所帯で出稼ぎなんかしてる、はっきり言ったらどうだ?自分達の目的は最強のギルドっていう地位だとな」
《聖竜連合》のプレイヤー達、特にシュミットの表情が渋いものになる。最前線で活躍するギルドの内で一般プレイヤーからの人気、という点で彼らが《血盟騎士団》に遅れをとる最大の原因がそこだった。
最速でのSAOクリアのために迷宮区を攻略し続ける《血盟騎士団》。一方で《聖竜連合》の方針は攻略、というより最強ギルドという立場の維持に向いていた。レベルという数字で強さというものが明確に現れてしまうこの世界の特性故か、攻略という意思の有無に関わらず弱者のままでいることを、先達に遅れをとることを恐れそういった傾向が見られるプレイヤーは少なくなく、《聖竜連合》はそんな人種が最も多く集まったギルドでもあった。
SAO内において一人にしか発現していない、ユニークスキル《神聖剣》の保持者であるヒースクリフ。稀少な女性プレイヤーでありながら《閃光》の異名を持つレイピア使いであるアスナ。ヒーロー性に富んだ二人のプレイヤーを擁するという事実も加わり、デスゲームからの開放を望むプレイヤー達の人気は自然、《血盟騎士団》の方へ向かい、最強ギルドの立場維持の結果として攻略組にいる《聖竜連合》にとってはコンプレックスを抱かずにはいられない存在となっている。
「クリアのためというのなら、明確に攻略の意思がある俺達が強くなったほうがよっぽど良い、むしろあんたらの方が遠慮すべきだろう」
「……ハッ、口だけ達者でもな、前線を目指してるとかほざいてたけどよ、最前線じゃ一日二日モンスター狩りしたところでそうそうレベルも上がるもんじゃねえんだぞ、今更追いつけると思ってんのか?お前のレベルはどれぐらいなんだよ」
「レベルか……」
他人のステータスの詮索はマナー違反とされる行為だがこの場においてはそれを遮るものも居なかった、少しの間を置きシュウが答える。
「七十だ」
「――っ!?」
その返答にシュウのパーティーメンバーであるトール、アルバを除いた全ての人間が驚いた様子を見せる。現在の最前線は七十層、階層プラス十の数値が目安とされる安全マージンを考慮から外せば彼のレベルが最前線の適正レベルに届いていたからだ。それまで完全にシュウらを侮りきっていた《聖竜連合》の者達の見る目も幾分か変化し始める。
「……本当だろうな」
「信用できないならステータスウィンドウを開いて見せても構
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