第二章
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「猫ちゃんは生きものよ」
「所詮野良猫でしょ」
「生きものにそう言っていいの」
「適当って?」
「それにどうするのよ」
「貴女には関係ないでしょ」
「なくても言うわよ、けれどどうせまた拾って育てるのよね」
晴香はずっと美香と一緒にいる、それで言うのだった。
「そうよね」
「知らないわ、爺や達がそうしたいって言うからお家に置いてるだけよ」
「またそう言って、本当に相変わらずね」
晴香はやれやれといった口調で素直でない美香に言う、そしてその野良猫は無事に保護された。そんなある日のこと。
クラスで体育祭の選手や役員を決める話をした時にクラスの者達はこう言った。
「今日安芸城さん休みだし」
「珍しいことにね」
「風邪らしいけれど」
「いないけれど」
「それでもね」
「リレーに出ること決まったから」
「そのこと伝える?」
こうした話になっていた。
「今日の授業のこととかもあるし」
「安芸城さんに色々伝えないとね」
「とってあったノートも見せたりして」
「スマホじゃ伝えきれないし」
「皆で行こうか」
「そうしよう」
「じゃあね」
皆の話を聞いてだ、晴香は彼等に言った。
「私が案内するわね」
「うん、雅さん安芸城さんと幼馴染みだし」
「それでだよね」
「安芸城さんのお家知ってるよね」
「この学校の隣の駅だよね」
「そうだよね」
「そう、私と美香お家も近くなの」
そのことも言うのだった。
「だからね」
「案内してくれるね」
「今から」
「そうさせてもらうわね」
晴香はクラスメイト達に快く答えた、だが。
晴香以外のクラスメイト達は美香と付き合いが浅い、それで彼女のその不遜な態度と一言多いところから言うのだった。
「けれど安芸城さんだから」
「感謝しないどころかね」
「追い返しそう」
「あとお家は広くても」
「何かとんでもないお家かもね」
「もう安芸城さんがやりたい放題の」
「あっ、それは行けばわかるから」
真実を知っている晴香はこうクラスメイト達に返した。
「まずはね」
「安芸城さんの家に行ってだね」
「運動会のこと話して」
「ノートも見せようか」
「そうしよう」
「コピーして持って行ってもいいけれど」
「何はともあれ安芸城さんのお家に行こう」
クラスメイト達でとだ、そうした話になってだった。
晴香は彼等を連れて美香の家に行った、そこは左が和風右が洋風の見事な屋敷だった。庭も広く見事で明治時代の赴きである。
玄関で挨拶をすると丁重に中に案内してもらった、そして屋敷の中は。
多くの猫と犬がいた、クラスメイト達はその彼等を見て驚いた。
「何でこんなに犬と猫がいるの?」
「どうしてなの?」
「これって」
「皆美香が拾った子達な
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