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Sword Art Online -Gun Sword-
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せる。
つまり俺たちプレイヤーは――逃げることのできないデスゲームの中に、閉じ込められたのだと。
微かな絶望感を感じていると、まるで託宣のような茅場の言葉が再開された。
「諸君がこのアインクラッドから脱出する方法はただ一つ――」
皆が押し黙り、固唾を飲んで次の言葉を待った。俺は、なんとなくその条件とやらを察していた。
「誰か一人が最上階に達し、このゲームをクリアすればよい」
その後も、茅場の声は容赦なく続く。
「誰か一人でもクリア者が出た時点でゲームは終了し、生き残ったプレイヤー全員が順次正常にログアウトされるだろう。最後に、マニュアルから二点変更になった部分を伝えておく。まず、もう気づいているだろうがメニューからログアウトコマンドが削除されている。諸君らが自発的にログアウトする方法は一切存在しない。そしてもうひとつ――」
仮想世界の賢者然とした茅場の顔は何ら表情を変えることなく、その先を告げた。
「ゲーム内での死亡はすべて実際の死として扱われる。蘇生等の救済措置は一切無い。HPがゼロになった時点でプレイヤーの意識はこの世界から消え、現実の肉体に戻ることは永遠になくなる。厳密に言えば脳死状態で、完全な死亡とは言えないが――そう大した差はあるまい」
嫌に働く俺の脳内は既に今後のことについて考えていた。飲み食い、レベリング、最前線の攻略。多分、この五万人いるプレイヤーの中でそんな事を考えているのは自分だけだろう。自分でも薄々気付いていたが、やはり俺は頭のネジが少し外れているようだ。
間を置いていた茅場の口が再び開きだす。
「それから、これは現実世界の関係諸氏に告げておくが――」
半透明の巨大な水晶のような茅場の瞳が、まぶたの下でわずかに動き、焦点を移した。多分その方向に、例のイベント・スクリーンのカメラ視点が設定してあったのだろう。
「もしSAOゲームサーバーを一時間以上停止すれば、全プレイヤーが一生植物状態となるだろう。さらに、このプログラムには私の最高傑作と言っていいプロテクトが施してある。解除を試みるのは自由だが、もしシステムに検知されればその時も同様の結果が待っていることをお忘れなく。私の行方を探してもいけない。五万の若者諸君の未来と引き換えにする覚悟があるなら結構だが――」
イベント会場の混乱が思いやられるようだった。俺はふと、こっちからも会場の様子が見られればよかったのに、などとのんきな事を考えた。
「そしてこれは政府当局への助言だが、早急にプレイヤー諸君の現実の肉体を保護する手段を講じることをお勧めする。私としてもこのゲームがクリアされるのにどれほどの時間が必要なのか見当もつかない。回線切断猶予は二十四時間であることをお忘れなく。私の資産はすべて現
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