第二部
賭けをしよう
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「ふっざけんな! 私はもうあんたに見下されてるだけの女じゃないわよッ!」
対するエリザは動じず。
「勘違いよ。真に得たものなんて有りはしない。いまのままである限り、貴女は私に遠く及ばないのだから」
紫闇もイリアスも覚えが有った。
人間をゴミのように見る目。
「能無しで誇りの無いクズ。それがクリス・ネバーエンドの本質。どうして我が一族に生まれてきたのかしらね」
自分のことで無いにも関わらず、紫闇は怒りが限界を超えそうだった。
「そこまでにしておけ」
紫闇が声の方を見るとイリアスは不快なことを隠さずエリザを見ていた。
「何故イリアスが味方を……惚れたの?」
「妹みたいな娘にそれは無い」
「ならば何故かしら?」
「それは立華君も同じだと思うぞ」
「へぇー二人ともクリスの側にね」
紫闇は不調だったとはいえ【夏期龍帝祭】で負ける一歩手前まで追い込まれた。
「クリスは俺が認めた好敵手だからな。そういう奴を馬鹿にされると腹に据えかねる」
闘技者として許容できない怒りを見せる紫闇の意見にエリザは何処吹く風。
「馬鹿にするのを止めない」
「と言ったら私がお仕置きかな」
イリアスはにこやかに告げた。
その言葉にレックスが反応。
凄まじいプレッシャーを放つ。
エリザ、クリス、紫闇の三人は体が沼に嵌まったように動けない。
流石にイリアスは平気だが。
「私がイギリスから亡命した時よりもまた強くなったねレックス。ならこうしないか?」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
イリアスの提案。
先ず紫闇とクリスが選抜戦を勝ち抜く。
そして親善試合に出場。
シングルスでの団体戦なので二人はレックスかエリザと一対一で戦う。
紫闇達が勝てば婚姻は無し。
片方でも負ければ婚姻成立。
エリザは不満そう。
しかしレックスは納得している。
彼の顔は何処か悲哀が有った。
「シアン! あんたはレックスよ! 私は今回こそエリザをブッ壊す!」
「俺はあんたが気に入らない」
紫闇はレックスの心に諦念、あきらめしかないことが気に食わなかった。
「私もです。紫闇とは相性が悪い方ですよ」
「だからこそ戦わずに居られないんだろう」
イリアスの前でエリザとクリス、紫闇とレックスが火花を散らして室温を上げる。
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