暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
艦娘とスイーツと提督と・49
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
      〜リットリオ:ティラミス〜

「どうだ?美味いか」

「えぇ、こんな本格的なティラミス久しぶりに食べました」

「そうかそうか、いや〜やっぱ本場の奴にその国のお菓子食わせるってなると緊張してな」

「そうですか?提督程の腕前があれば、緊張する必要は無いと思うんですが」

「それでも、だよ。特にイタリア連中は戦艦から駆逐艦・潜水艦に至るまで皆料理が上手いからな」

 今回のスイーツチケットを持ってきたのはリットリオ……今は改装して戦艦イタリアか。リクエストはイタリアンのデザートの中でも抜群の知名度を誇るティラミスだった。

「生地の土台になっているフィンガービスケット……ビスコッティ・サヴォイアルディまで手作りするとは思いませんでした」

「俺は凝り性でね。どうせ作るなら本格的にと思ってな」

 日本のティラミスの土台はカカオパウダーやコーヒーパウダーを練り込んだスポンジの所が多いが、本家本元のティラミスは作り方が違う。

 まず、ケーキ型にフィンガービスケット(指の様な形のビスケット)にエスプレッソを染み込ませて土台として敷き詰める。そこに卵黄と砂糖、マルサラワインを加えて温めながら混ぜ合わせて作るカスタードとマスカルポーネチーズを合わせたクリームを敷く。この工程を2〜3回繰り返して層を作ったら冷やし固め、仕上げにココアパウダーやコーヒーパウダーを上から振り掛ければ完成。俺はマルサラワインの代わりに色んなリキュールを使って味の変化を楽しんでいるがね。




「それにしても、日本でティラミスがこんなに知られてるなんて……知りませんでした」

「あ〜、俺がガキの頃に流行ったからな」

 1980年代後半から90年代前半にかけてのバブル景気の頃にイタリアンブームがあって、その時に流行ったらしい。当時はイタリアンじゃなくて『イタ飯』って呼んでたんだっけか?まぁ俺はその頃年齢1桁のガキだったし、住んでたのもバブル景気なんぞ欠片も影響の無い東北の片田舎だったからな。後々知ったんだが。

「当時はイタリアンレストランなんぞ名ばかりで、パスタとティラミスしか出さない店が多かったらしいがな」

「それだとリストランテというよりスパゲッテリアですね」

 リストランテが所謂レストラン、スパゲッテリアがスパゲッティ専門店を表す言葉らしい。





「それにしても……最近妙に海外組の奴等のアプローチがキツい、というか積極的過ぎんだよなぁ。イタリア、お前何か知らん?」

「あ、えぇっと……そのぉ………」

 ん?このはぐらかそうとしてる空気、なにか知ってると見た。

「何かお前知ってるくせぇな……ほれ、サッサとゲロっちまえ!」

 そう言って、脇腹を擽る。生憎とケッコンし
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ